2006 Fiscal Year Annual Research Report
生きた細胞・個体への適用が可能な活性型MAPキナーゼ特異的可視化法の確立
Project/Area Number |
05J12103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根岸 崇大 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MAPキナーゼ / SAPK / JNK / FRET / SH2ドメイン / c-Jun |
Research Abstract |
SAPK/JNKは様々な刺激に応答し、細胞の生死の制御や免疫応答など多様な生理応答に関与するMAPキナーゼである。このキナーゼについて、これまでの生化学的手法からは得られなかった「活性の時空間的挙動」に関する情報をリアルタイムで観測できる実験系を確立し、このシグナル経路の生理的役割について、「いつ」「どこで」使われるのかといった従来よりも詳細な情報を得ることを目的として、実験を行った。 活性型SAPK/JNKを可視化するために、FRET (Fluorescence Resonance Energy Transfer)を利用したプローブとして、YFP (Yellow Fluorescence Protein)、JNK、(活性型JNKのリン酸化されたTyr残基に特異的に結合すると考えられる)SH2ドメイン、CFP (Cyan Fluorescence Protein)からなる融合タンパク質を作製した。このプローブで、実際にJNKの活性化依存的なFRET比(YFP/CFPの蛍光強度比)の変化が測定されたが、この変化は顕微鏡下で差を見出せるほどの強い変化ではなかった。結合の非特異性(活性化の有無に関わらず結合が見られる)ことがこの一因であると考えられるので、特異性高く結合する点変異体の作製や新たな結合因子の探索を計画している。 また、JNKの基質であるc-JunをYFR, CFPの間に挿入し、JNKによるリン酸化によりFRET効率の変化が起こるようなプローブを作製できないかと考えた。実際に、このタンパク質を大腸菌から精製し、FRET比を測定したところ、リン酸化によるFRET比の著しい変化が観測された。現在は、これを哺乳動物細胞に導入しストレス刺激によるFRET比の変化が観察されないかどうかを検討している。
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Research Products
(1 results)