2007 Fiscal Year Annual Research Report
生きた細胞・個体への適用が可能な活性型MAPキナーゼ特異的可視化法の確立
Project/Area Number |
05J12103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根岸 崇大 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MAPキナーゼ / SAPK / JNK / FRET / SH2ドメイン / c-Jun |
Research Abstract |
ストレス応答性MAPキナーゼであるSAPK/JNKは、物理化学的ストレスや炎症性サイトカインなど様々な刺激に応答し、細胞の生死や免疫応答など多様な生理応答を制御することが知られている。本研究では、これまでの生化学的手法では得られなかった「活性の時空間的変化」に関する情報をリアルタイムで観測できる実験系を確立し、このキナーゼの生理的徐割を新たな切り口で理解することを目的として実験を行った。 活性の変化を可視化するためにFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)を利用したプローブの作製を試みた。FRETを起こす蛍光タンパク質の組み合わせである YFP (Yellow Fluorescence Protein)、CFP(Cyan Fluorescence Protein)の間にJNKの基質であるc-Junを挿入することで、JNKによるリン酸化によってFRET比(CFPの蛍光強度に対するYFPの蛍光強度比)が変化するようなプローブが作製できないかと考え、このような融合タンパク質を大腸菌から精製し、試験管内でFRET比について検討をした。その結果、c-Junの一部分を挿入したプローブにおいて、JNKによるリン醗化依存的なFRET比の著しい変化が観測できた。次に、このプローブを哺乳動物細胞に導入し、ストレス刺激によるFRET比の変化を検討した。その結果、蛍光強度計での計測において、試験、管内での実験に比べて減少するものの、FRET比の変化を観測できた。現在は、このプローブを用いて共焦点顕微鏡下でFRET比の変化が観察できないかどうかを検討している。
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