2005 Fiscal Year Annual Research Report
IRSp53/Eps8複合体による癌細胞の運動制御機構の解析
Project/Area Number |
05J12107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船戸 洋佑 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IRSp53 / Eps8 / 癌 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
IRSp53ならびにEps8は増殖刺激に応答してチロシンリン酸化を受けることが知られている。そこでIRSp53/Eps8複合体形成とチロシンリン酸化との関連を調べてみた。FLAGタグ付きのEps8(FLAG-Eps8)と、Mycタグ付きのIRSp53(Myc-IRSp53)をCOS7細胞に強制発現させ、細胞をEGF刺激しその細胞の溶解液を用いて抗FLAG(Eps8)、及び抗Myc(IRSp53)抗体で免疫沈降を行った。沈降物をSDS-PAGEで展開し、抗チロシンリン酸化抗体によるウェスタンブロットでチロシンリン酸化タンパク質を検出した結果、FLAG-Eps8のみの強制発現ではFLAG-Eps8はEGF刺激に対してさほど顕著にはチロシンリン酸化を受けないことが判明した。一方、FLAG-Eps8とMyc-IRSp53を共発現させた際にはFLAG-Eps8がEGF刺激に応答して非常に強くチロシンリン酸化を受けることを見出した。また、Myc-IRSp53に関してはFLAG-Eps8の共発現の有無に関わらず、ほぼ同程度のチロシンリン酸化をEGF刺激によって受けることが明らかとなった。Eps8のチロシンリン酸化は癌細胞においてしばしば認められているおり、癌の悪性度との相関が報告されている。上述した実験結果はEps8がIRSp53/Eps8複合体を形成している際にチロシンリン酸化を非常に受けやすいことを示しており、癌の悪性化にIRSp53/Eps8複合体の存在が関与している可能性を示唆するものと考えられる。
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