2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス卵子における遺伝子発現プログラムの初期化機構に関する研究
Project/Area Number |
05J12115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 智彦 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生殖細胞 / 着床前初期胚 / ヒストン変異体 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
真核生物の遺伝子発現には、その調節領域におけるヒストンの翻訳後修飾が重要な役割を果たすことが知られている。さらに近年、ハエ、マウス、ヒトの細胞を用いた実験により、ヌクレオソーム構造を形成しているヒストン自体が変異体へ置換することが転写調節機構に深く関与しているという報告が新たになされた。本年度に私は、遺伝子発現パターンが著しく変化するマウスの生殖細胞および着床前初期胚におけるヒストン変異体の局在の変化を調べた。エピトープタグを付加したピストン変異体をコードするmRNAをマウス卵細胞および着床前初期胚にマイクロインジェクションして、細胞内で翻訳されたヒストン変異体の動態変化を免疫染色法により調べた。その結果、それぞれのヒストン変異体では受精後に核に組み込まれる時期が異なり、核内局在にも特徴がみられることがわかった。さらに、RNA干渉法によって変異体の核への組み込みを阻害した結果、発生が停止することを明らかにした。また、ヒストン変異体のトランスジェニックマウスの作製に成功したので、mRNAインジェクションとともに、さらなる解析をおこなっている。以上の結果は、ヒストン変異体の動態が受精前後における遺伝子発現パターンの変化に深くかかわっていることを示唆している。
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Research Products
(2 results)