2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NRF2を介したミトコンドリア電子伝達系遺伝子の発現制御機構の解明
Project/Area Number |
05J12131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 立平 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分子生物学 / 細胞生物学 / ミトコンドリア / 転写制御 / 転写因子 / クロストーク |
Research Abstract |
哺乳類ミトコンドリアの翻訳因子の一つ、IF2mt遺伝子のプロモーターを同定し、転写因子NRF-2が転写促進に関与することを明らかにした(Hayashi R, et al. 2007Mitochondrion)。これまでに核ゲノムにコードされるミトコンドリアの遺伝子発現、即ちゲノム複製、転写、翻訳に関わる遺伝子の転写制御にNRF-2が関与することが明らかになったが、現在までのところNRF-2の転写補因子は同定されていない。本研究では、tandem affinity purification法を用いて、細胞内のNRF-2の転写複合体を精製し、複合体の構成因子を同定することを目指している。 これまで、NRF-2のαもしくはβサブユニットにFLAGタグとproteinタグを付けたコンストラクトをヒト培養細胞、HEK293T細胞に一過的に発現させ、タグによる精製がうまく行なえることを確認したが、NRF-2と一緒に精製されてくる蛋白質を同定するには至っていない。タグ付き蛋白質が生理的レベルを超えて過剰に発現しているため、細胞内でパートナーとなる因子が相対的に枯渇してしまうことと、タグを利用した精製が立体的な障害となって複合体を不安定化していることが原因として考えられる。 現在、前者についてはコンストラクトのプロモーターを変えて発現量を低く抑えることを検討しており、後者ではproteinAタグを削ってnativeな状態に近づけた蛋白質を発現させることを検討している。
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Research Products
(1 results)