2005 Fiscal Year Annual Research Report
MBE選択成長法による高密度GaAs量子ナノ細線ネットワークの形成と評価
Project/Area Number |
05J50022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉井 功 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | GaAs / MBE / 選択成長 / (001) / (111)B / 量子細線 / 量子細線ネットワーク |
Research Abstract |
工学的に重要なGaAs(001)および結晶配列の三回対象性を持つ(111)基板上にリソグラフィーおよびウェットエッチングにより<-110>、<510>、<-1-12>方向に沿った加工を施し、分子線エピタキシ法(MBE法)を用いて量子細線の形成を行なう。制御よく量子細線構造の形成を行なうために、加工基板形成時に現れる各ファセット上における結晶成長結果をもとに成長シミュレーションを行ない、量子細線構造の形成メカニズムを明らかにし、量子細線構造の形成プロセスを確立する。 その後、それまでに得られた量子細線構造形成メカニズムをもとにGaAs(001)および(111)基板上に、六角形に量子細線を結合させたヘキサゴナルネットワーク構造に関して検討を行なう。本研究では、量子構造のMBE成長法に更なる検討を加え、複雑な結合量子構造の断面形状および寸法の精密な制御を実現し、高均一、高密度かつ無欠陥のGaAs量子ナノ細線ネットワーク構造の形成手法を確立する。 量子ナノ細線ネットワーク構造の形成にあたり、初期加工基板の形状や面方位の違い、材料成長時の条件が、量子構造のサイズ制御性、細線接合部における接合様態に及ぼす影響を克明に調べ、選択成長の基本的性質について検討をしている。 作製した量子ネットワーク構造の表面モホロジー、細線結合様態を、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等を駆使して原子レベルで克明に評価し、得られた結果を初期成長条件にフィードバックし、さらにフォトっルミネッセンス(PL)法、カソードルミネッセンス(CL)法等の光学的評価から、ネットワーク構造の電子閉じ込め強さなどを実験的に明らかにし、高密度集積化に適した量子ナノ細線ネットワークの作製を行なう。 成長過程のシミュレーションにより、細線幅40nmの細線構造の形成に成功した。ここで得られた条件を元に量子ナノ細線ネットワークの形成を行ない,GaAs(001)面および(111)B面上にそれぞれ節点密度3.2x10^8cm^<-2>および7.5x10^6cm^<-2>をもつ高密度ネットワークの形成にも成功し、量子集積回路実現の可能性を見出した。
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Research Products
(1 results)