2006 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母における減数分裂特異的遺伝子群の発現制御機構
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05J50172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張ヶ谷 有里子 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
真核細胞が増殖を停止し減数分裂を開始するプロセスは厳密に制御される必要があるが、その分子基板については未知の部分が多く残されている。分裂酵母においては、RNA結合タンパク質Mei2により、減数分裂開始および進行が制御されている。Mei2は、減数分裂期にMei2と直接相互作用するnon-coding RNA(meiRNA)をコードするsme2遺伝子座に一点の構造体を形成する(mei2ドット)。以前の研究により、Mei2の機能のひとつとして、体細胞分裂期において、減数分裂特異的mRNAの発現をシス配列DSRに依存して抑制しているRNA結合タンパク質Mmi1を不活性化することが明らかとなった。また、この不活性化はMei2がMmi1を核内の一点(Mei2ドット)に隔離することによってなされていることが細胞生物学的解析より示唆された。本年度は、この仮説のさらなる検証を目的として、Mmi1タンパク質の機能領域の決定をおこなった。 1)体細胞分裂周期における減数分裂特異的mRNAの発現抑制に必須なMmi1の機能領域の限定:各種Mmi1断片(全長、N端末を60,120,180,240アミノ酸欠失、C端末を60,120,180アミノ酸欠失)を発現ベクターに挿入し、mmi1の機能欠損に対する相補能を検定した。Mmi1の全長およびN末端を60アミノ酸欠失した断片はmmi1の生体内での機能を相補できるが、上述のそれ以外の断片は機能相補できないことが明らかになった。 2)Mmi1におけるMei2結合領域の決定の試み:in vitro翻訳により^<35>S標識されたMei2およびHA融合Mmi1断片(上記8種)を作製し、混合後抗HA抗体を用いて免疫沈降を行い、オートラジオグラフィーにより検出した。免疫沈降時のバックグラウンドが高く明瞭な結果が得られなかったため、現在条件検討中である。
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Research Products
(3 results)