2005 Fiscal Year Annual Research Report
生態系パラダイムに基づく自己適応型モバイルエージェントシステムの基盤技術の研究
Project/Area Number |
05J50673
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 朋子 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分散システム / モバイルエージェント / 生態系パラダイム / 自己適応性 |
Research Abstract |
本研究では,大規模で動的なネットワーク環境において,高度な自己適応性を有するモバイルエージェントシステムの構築に有用な基盤技術を確立することを目的としている.エージェントは高度な適応性を有する自律分散システムの設計パラダイムとして期待されているが,これまでに提案されている手法は個々のシステムに特化したものが多い.そこで報告者は,さまざまなエージェントアプリケーションで共通に利用可能なエージェントシステムの基本的機能の提供を目指している. 1.エージェント数制御手法の提案:複数のエージェントが動作する多くのエージェントシステムでは,システムの性能や負荷は動作するエージェントの数によって決まる.そこで報告者は,動的なネットワーク環境において,システムの規模に応じてエージェント数を適切に設定する手法を提案した.提案手法は,生態学の分野で提案されている単一種個体群モデルに基づいている.これは,ある地域に生存可能な個体数は,環境が提供する食物量に応じた数に安定することをモデル化したものである.この生態系モデルをエージェントシステムに適用し,動的に規模が変化するネットワークにおいてもエージェント数を適応的に調整可能な手法を提案した.さらに,提案手法を負荷分散システムに適用し,提案手法が実システムの性能向上に有用であることを確かめた. 2.資源数制御手法の提案:ファイル検索を行うシステムには,ファイルの複製をネットワーク中に分散配置させ,検索効率の向上を図っているものが数多く存在する.このようなシステムではファイル(=資源)数を適切な数にすることで,システム負荷と検索効率の均衡を保つことができる.そこで報告者は,単一種個体群モデルを適用し,ネットワーク中の資源数を制御する手法を提案し,シミュレーションによる実験により,提案手法がシステム規模の変動に応じて資源数を制御可能であることを示した.
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Research Products
(4 results)