2006 Fiscal Year Annual Research Report
生態系パラダイムに基づく自己適応型モバイルエージェントシステムの基盤技術の研究
Project/Area Number |
05J50673
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 朋子 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 分散システム / モバイルエージェント / 生態系パラダイム / 自己適応性 |
Research Abstract |
本研究では,大規模で動的なネットワーク環境において,高度な自己適応性を有するモバイルエージェントシステムの構築に有用な基盤技術の確立を目的としている.エージェントは自律分散システムの設計パラダイムとして期待されているが,既存の手法は個々のシステムに特化したものが多い.そこで報告者は,様々なエージェントアプリケーションで共通に利用可能なエージェントシステムの基本的機能の提供を目指している. 1.エージェント数制御手法の提案:多くのエージェントシステムでは,システムの性能や負荷は動作するエージェントの数によって決まる.そこで報告者は,動的なネットワーク環境において,システムの規模に応じてエージェント数を適応的に調節可能な手法を提案した.提案手法は,生態学の分野で提案されている単一種個体群モデルに基づいている.また同様の手法を資源共有システムに適用し,資源数を適切に調整可能であることを示した. 2.エージェント間情報交換法の提案:複数のエージェントがネットワーク上で自律動作するシステムでは,各工一ジェントが保持する情報をすべてのエージェントで共有することが多々求められる.そこで報告者は,分散システムにおいて各エージェントが他のすべてのエージェントが保持する情報を得る手法を提案した.提案手法では,エージェント間の間接的な情報伝達を利用し,様々なネットワークトポロジに対する各手法がエージェントの移動計算量の点で最適であることを示した. 3.分散アルゴリズムに関する研究:分散システムにおける基本問題の解決は,分散システム上でエージェントが動作するエージェントシステムの性能向上のために非常に重要である.報告者は,P2Pネットワークにおける高い故障耐性を有する経路の多重化法,およびセンサネットワークにおける効果的な領域被覆法を提案した.また,分散アルゴリズムの動作理解支援に関する考察を行った.
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Research Products
(5 results)