2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜結合クニッツ型セリンプロテアーゼインヒビターの生体内機能解明
Project/Area Number |
05J50842
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
福島 剛 宮崎大学, 医学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | HAI-1 / placenta / proteinase inhibitor / Kunitz / branching morphogenesis / knockout mice / transmembrane protein |
Research Abstract |
Hepatocyte growth factor activator inhibitor type 1(HAI-1)は、細胞膜結合クニッツ型セリンプロテアーゼであり、HGF activator、matriptase、hepsin、prostacinなどを標的酵素としているが、生体内における意義についてはいまだ不明な点が多い。これまで、その標的酵素の多くがHGFの活性化作用を有することから、HGF活性化調飾機能が強調されてきた。 本研究ではHAI-1の生体内機能を解析するため、HAI-1ノックアウトマウスを作成した。その結果、HAI-1ホモ欠失マウスでは胎盤ラビリンス層において栄養膜細胞と胎仔血管によるbranching morphogenesisが生じないことによる胎盤機能不全で、胎生10.5日付近で致死となることがわかった。この表現型は、HGFやその受容体のノックアウトマウスより重篤であり、HAI-1がHGF活性化調節機能だけではなく、予想外の新規機能を有することが示唆された。実際、ヒト膠芽腫細胞株にHAI-1を強制発現させるとヌードマウス脳内腫瘍移植モデルにおける造腫瘍能が亢進した。 現在、成体ノックアウトマウスにおけるHAI-1の機能を解析するために、胎盤機能のレスキューを試みている。HAI-1ホモ欠失ES細胞を作成し、これを野生型マウスの胚盤胞に注入し、キメラマウスを得た。キメラマウスは明らかな臓器異常なく出生したが、キメリズムの高いマウスは発育が悪く、離乳までに死亡した。現在、その詳細な表現型を解析しているところである。また、ノックアウトマウス胎仔の初代培養で得られたHAI-1欠失細胞株にテトラサイクリン濃度依存性にHAI-1を強制発現させ、HAI-1の機能を解析する実験も進行中である。
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Research Products
(2 results)