2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御における転写因子hDREFの機能とSUMO化の役割の解析
Project/Area Number |
05J50882
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山下 大輔 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | hDREF / 細胞周期 / リボソームタンパク質遺伝子 / 核局在化シグナル / hATCドメイン |
Research Abstract |
hDREFは細胞増殖関連遺伝子の発現を調節する転写因子であることが示唆されていたが、細胞増殖における役割については不明であった。私は細胞増殖におけるhDREFの役割を検討するためにhDREFノックダウン細胞が示す表現型の詳細な解析を行った。その結果、hDREFノックダウンにより、M期マーカーであるヒストンH3のリン酸化の程度が減少し、M期に細胞質から核に移行するサイクリンB1が細胞質に蓄積した状態で細胞周期が停止することを見出した。この結果はhDREFの細胞周期における作用点の一つがG2/M期の移行にあることを示唆している。また、hDREF結合配列が21種類のリボソームタンパク質遺伝子のプロモーター領域に存在することを見出し、実際にhDREFがいくつかのリボソームタンパク質遺伝子の転写制御を行っていることを証明した。このことは、これまで未知であった細胞周期依存的なリボソームタンパク質遺伝子の発現調節機構の解明にも大きく貢献すると考える。 細胞増殖制御におけるhDREFの重要性は示されたが、hDREFの構造と機能調節については不明であった。そこで私は、hDREFのさまざまな変異体を作成し、hDREFの機能を調節する領域を検討した。その結果、520-551アミノ酸を含む領域に酸性アミノ酸から構成される古典的核局在化シグナルを同定した。また、hDREFはカルボキシル末端にあるhATCドメインを介して自身と相互作用し、細胞内で多量体を形成することを見出した。さらに、この相互作用はhDREFの核局在化、DNA結合活性、およびSUMO化に必要であることを見出した。以上のことから核局在化シグナルとhATCドメインを介した自身との相互作用によってhDREFの機能が調節されていることが示された。
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Research Products
(2 results)