2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J51112
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
黒内 正仁 立命館大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 窒化物半導体 / 高In組成InGaN / InN / 量子井戸 / 光学的特性 / X線回折 / RF-MBE |
Research Abstract |
窒化物半導体のInGaN混晶はGaNとInNからなる混晶であり、近紫外領域から可視光領域を含み、近赤外領域までの幅広い波長領域の光デバイスに対応できる材料である。高In組成InGaNは温度依存性の小さい光通信帯用レーザーダイオードの応用が期待されている。しかし、InNは解離温度が低いという問題点があり、InGaN混晶は高In組成領域において結晶成長が難しい。近年において、結晶成長技術の一つであるRF-MBE法を用いることによって高品質なInN結晶を作製することが可能となった。これに伴い、高In組成InGaN混晶の結晶成長が報告されるようになったが、その結晶性が悪いという問題点があった。 本研究では、高In組成InGaNの高品質化を狙い、InNテンプレート上に高In組成InGaNの結晶成長を行った。下地に用いたInNテンプレートは良好な結晶性が得られる窒化条件を用いて作製したものである。得られたInGaN混晶を従来の低温InNバッファ層上のInGaN混晶と結晶性の比較を行った。InNテンプレート上に成長したInGaNは低温InNバッファ層上に成長したInGaNと比べて、結晶性が改善されていることが確認された。 次に、世界で初めてInNテンプレート上にInN/InGaN量子井戸構造を作製した。作製したInN/InGaN量子井戸構造はX線回折法や電子顕微鏡で評価を行った結果、比較的高品質に形成されていることが確認された。ホトルミネッセンス法によって、光学的評価を行った結果、InN井戸層からの発光が観測され、その発光はInN井戸幅の減少に伴い、高エネルギー側へシフトしたことから量子効果を示していることが確認された。 以上のように、本研究では、高In組成InGaN結晶の高品質化を実現するとともに、InN/InGaN系量子井戸構造の実現に成功した。
|
Research Products
(5 results)