2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機デバイス界面に存在する界面電気二重層の解明と制御
Project/Area Number |
05J52182
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
深川 弘彦 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機半導体 / 光電子分光法 / 界面電気二重層 / 有機デバイス / 電子準位接合 |
Research Abstract |
有機半導体を用いた種々の有機デバイスにおいて、有機/基板界面および有機/有機界面の電子準位接合はキャリアの注入や動的過程を考える上で非常に重要であるが、その系統的な理解には至っていない。電子準位接合を議論する上での問題点として、 (i)一般の有機/金属界面には界面電気二重層が存在し、界面の電子状態を複雑化している。 (ii)有機薄膜の電子状態が薄膜構造に依存するにも関わらず、膜構造を考慮した研究が行われていない。 等が考えられるが、これらを厳密に議論した報告例はなく、無機半導体分野における理解をそのまま仮定した電子準位接合に関する議論が行われている。 このような背景から、私は有機半導体界面の電子準位接合機構を解明するため、上記(i)・(ii)の問題点を考慮した有機薄膜の作製、そして紫外光電子分光および昨年立ち上げを行った準安定励起原子電子分光による研究を行った。概要は以下に示す。 (1)分子内双極子を持つ種々のフタロシアニン配向単分子膜を不活性基板上に作製することで、理想的な電気二重層の作製が可能となる(昨年度の研究実績参照)。 (2)表面平滑性の異なる種々の基板上のペンタセン薄膜の紫外光電子分光測定において、膜構造に依存したペンタセン薄膜の電子状態の観測に成功した。 (3)上記(1)で示す系を"フタロシアニン修飾基板"として用いることで、電子準位接合を議論する際に重要なパラメーターの一つである基板の仕事関数をコントロールすることに成功した。そしてその基板上にペンタセン配向膜を作製し、電気二重層並びに膜構造が規定された系の電子準位接合に関する研究を行い、有機半導体界面における電子準位接合機構の解明を行った。
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Research Products
(4 results)