2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J52252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 英宏 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子情報 / 量子光学 / スクイーズド光 |
Research Abstract |
量子情報処理技術では、量子力学に特有な「状態の重ね合わせ原理」や「量子相関(量子エンタングルメント)」を用いることで、大容量通信・高速演算等が実現可能と言われている。我々は光の量子状態を用い、量子テレポーテーションに関する研究を行った。量子テレポーテーションは量子計算・通信の基本プロトコルであり、より複雑・大規模な量子演算を実現するためには、量子テレポーテーションの高性能化が重要となる。本研究では、量子テレポーテーションのリソースであるスクイーズド光のレベルを改善、さらに量子テレポーテーションの系を安定化することで従来を大きく上回るフィデリティ0.76を達成した。また、量子テレポーテーションを用いた量子回路の構築を考えた場合、量子テレポーテーションの入出力で状態の非古典性が保持されることが必要と考えられる。そこで、非古典状態であるスクイーズド状態を入力として量子テレポーテーションを行い、出力側でスクイーズの観測を試みた。この実験は、量子テレポーテーションが任意の状態を転送できることを実証するとともに、より複雑な量子回路構築へ向けたステップといえる。実験では高レベルのスクイーズド光を生成し、それを入力及び量子テレポーテーションのリソースとして用いることで、実際に出力側で真空場揺らぎ以下にスクイーズした状態を観測することに成功した。また、直交位相スクイーズド状態は周波数の異なるモード間がエンタングルした状態であるため、この実験により初めて量子エンタングルメントそのものの量子テレポーテーションに成功した。
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Research Products
(3 results)