2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J52252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 英宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子情報 / 量子光学 / スクイーズド光 |
Research Abstract |
量子情報処理技術では、量子力学に特有な「状態の重ね合わせ原理」や「量子相関(量子エンタングルメント)」を用いることで大容量通信・高速演算等が実現可能であると言われている。我々は光の量子状態を用いて実験を行い、量子テレポーテーションの複数段化に成功した。量子テレポーテーションは量子計算・通信の基本プロトコルとされるものであり、より複雑・大規模な量子演算を実現するためには、この量子テレポーテーションの高フィデリティ化及び多段化が必要といえる。今回、スクイーズド光の高レベル化・系の安定化等から量子テレポーテーションの精度(フィデリティ)の向上を行い、さらに二回連続して光の量子状態を量子テレポーテーションする実験に成功した。また、光の量子状態に対するトモグラフィ(ホモダイントモグラフィ)に関する研究も行い、幾つかの方法(逆ラドン変換、量子状態サンプリング、最尤推定法)を用いて光の量子状態(コヒーレント状態、スクイーズド状態等)のトモグラフィを行った。これにより、量子テレポーテーション過程における量子状態のトモグラフィも行った。また、スクイーズド光の高レベル化の実験では、これまでと異なる非線形光学結晶を用いて従来を大きく上回るスクイージングレベルを達成した。これは既存のKnbO_3結晶ではなく、擬似位相整合KTP結晶を用いることで、従来問題であったポンプ光誘起の基本波吸収を防ぎ、その結果これまででは達成できなかった高レベルのスクイーズド光を生成・測定することに成功した。
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Research Products
(3 results)