2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J52352
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西田 秀子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経 / グリア / シナプス / 二光子顕微鏡 / タイムラプス観察 / 海馬スライス培養 |
Research Abstract |
中枢神経系において、シナプス-アストロサイトの構造・機能連関を研究した。 中枢神経系シナプスの近傍にはアストロサイト突起が存在してシナプス伝達に影響を与えることが近年広く知られるようになった。しかしながら、これは主に多くの電気生理学的実験から得られた知見であり、それに比して形態学的証拠はいまだ非常に少ない。さらに、アストロサイトがシナプス機能に関与することを裏付けるには「生きた組織」での解析が重要だが、報告は皆無であった。 そこで、生きた海馬組織を用いてシナプス構造とアストロサイトを可視化し、それらの動態を二光子顕微鏡を用いて長時間観察し、両者の構造的・機能的連関を解析した。 マウスから海馬スライス培養を作製し、組み換えアデノウイルスを用いてアストロサイトをGFPで可視化し、さらに単細胞電気穿孔法を用いてローダミンで錐体細胞樹状突起を可視化した。これにより、樹状突起から突出するスパイン/フィロボディアとその直近に存在するアストロサイト突起を生きた状態で、二光子顕微鏡を用いて長時間のタイムラプス観察することが可能となった。 解析の結果、アストロサイトの接触を受けたフィロボディアは安定化し、その後の成熟スパインへの発達が促進されることを示した。さらにアストロサイト-樹状突起間のシグナリング(EphA4-ephrinA3)を撹乱した場合に出現して間もないフィロボディアの安定化が阻害され、また、Rac1依存的なアストロサイトの運動性を低下させるとスパインへの形態変化が阻害された。 この"アストロサイトの接触による個々のフィロボディア安定化及びスパイン発達制御"を示した報告は、Nishida H and Okabe S(2007) Direct astrocytic contacts regulate local maturation of dendritic spines. The Journal of Neuroscience 27,331-340.として掲載された。
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Research Products
(1 results)