2005 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマシート境界層における質量・エネルギー輸送の統計的研究
Project/Area Number |
05J52642
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 大祐 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマシート境界層 / 沿磁力線電流 / 磁気圏電離圏結合 |
Research Abstract |
多成分マックスウェル分布型成分分解アルゴリズムをプラズマシート境界層の三日月形速度分布に適したアルゴリズムに拡張・改良を行った。改良したアルゴリズムを用いて、ジオテイル衛星の低エネルギー粒子分析器(LEP-EAI)によるプラズマシート境界層の観測データを、低温度成分と複数の高エネルギービーム成分に分解した。分解した各成分の粒子モーメントをそれぞれ計算しデータベース化した。エース衛星、ウィンド衛星による太陽風の観測データから、1995年から2004年までの地球周辺における太陽風条件の10年間分のデータベースを構築した。構築した太陽風データベースと太陽風条件を入力とするチガネンコ・フェアフィールドの電流層位置モデルを用いて、ジオテイル衛星の粒子・電磁場観測を空間的に分類し、地球磁気圏近尾部赤道面プラズマシートの三次元構造を解析した。ポーラー衛星、イメージ衛星の遠紫外光カメラの観測によるオーロラサブストーム開始リストを用いて、ジオテイル衛星の観測データをサブストームの時間発展に対して時間的に分類した。作成したジオテイル衛星のデータセットによる磁気圏近尾部の時空間重畳解析を行い、サブストームにおける地球磁気圏尾部プラズマシートの時空間発展の観測的モデルを構築した。モデルの構造発展と磁気流体力学の支配方程式および電流保存の方程式からプラズマシート境界層を流れる沿磁力線電流系の時間発展を推定した。推定した沿磁力線電流を地球極域電離層に投影し、投影した沿磁力線電流と低高度衛星観測による沿磁力線電流との比較を行い、プラズマシート境界層を介して磁気圏から電離層へ輸送される電磁的エネルギーについて解析を行った。
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