2007 Fiscal Year Annual Research Report
SARSコロナウイルスの持続感染系の確立とその解析
Project/Area Number |
05J52712
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山手 政伸 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイルス学 / SARS / コロナウイルス / 持続感染 |
Research Abstract |
これまでに確立されたSARSコロナウイルス(SARS-CoV)のVero E6細胞における持続感染系の解析を行った。ウイルスタンパク質の発現は急性感染期と比較し、一部のウイルスタンパク質の発現に違いが生じることを確認した。また、持続感染細胞における実際の感染細胞の割合は1割程度であり、これは非常に安定して維持されることも様々な検討から確認された。持続感染細胞で維持されているウイルスゲノムのほぼ完全長をシークエンス解析したところ、構造タンパク質に数点の変異を見いだした。また、非構造タンパク質にも変異を認めたが大きな違いはウイルスゲノムの広範に位置するアクセサリ遺伝子の領域で比較的大きな欠損変異が認められた点である。私たちは持続感染細胞のクローン化に世界で唯一成功しているが、未クローンの持続感染細胞とクローン化した持続感染細胞(#21)ではそれぞれ有している点変異はほぼ同一であったが、このアクセサリ遺伝子領域での変異に大きな違いがあった。すなわち、未クローン状態ではアクセサリ遺伝子領域に欠損のみが認められたが、#21では同一部位が欠損しているものの全く同一の領域が近位の部位に挿入されていた。この領域の遺伝子欠損については、再度持続感染細胞クローンを樹立したところ同じような傾向が見られた。 そこで、ウイルスゲノムのRNA二次構造についてin silicoの解析を行うことで、上記の遺伝子の欠損及び挿入についてのモデルを構築した。 また、持続感染によって生じたS遺伝子の変異について検討したところ、この点変異のうちのひとつがSタンパク質のウイルス粒子への取り込みの低下に関与している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)