2005 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨化の骨芽細胞分化における新生血管の機能的役割の解明
Project/Area Number |
05J52732
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
結城 美智子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 内軟骨性骨化 / 骨芽細胞分化 / キメラ / 血管新生 |
Research Abstract |
内軟骨性骨化では、軟骨形成が骨形成に先行する。その際、肥大化軟骨内への血管侵入がないと骨形成が起こらないことから、骨形成に血管は必要であると考えられている。 本研究では、骨芽細胞分化における解明においてニワトリの肥大化軟骨と、マウスの血管を用いたキメラの内軟骨性骨化のモデルを用いて、ニワトリとマウスの生物種の差を利用して血管が発現する遺伝子か、軟骨が発現する遺伝かを区別し、骨を形成する肥大化軟骨内の血管と全身に分布する血管との相違を遺伝子発現解析により検討する。 1 キメラの内軟骨性骨化モデルの作製 ニワトリの肋軟骨から、軟骨細胞を採取し、培養して肥大化軟骨細胞へと分化させた。 2 キメラの内軟骨性骨化モデルからのcDNA作製と骨芽細胞誘導因子の由来の同定 その後ヌードマウスの背部筋組織内に、コラーゲン・ゲルと混合した肥大化軟骨細胞を移植し、血管侵入が起こる1ヶ月から骨形成が起こる間でサンプルを採取した。 その結果、キメラモデルによる骨形成は、マウス由来の骨芽細胞分化マーカーであるオステオカルシンが発現しており、ニワトリの軟骨からマウスの血管侵入が起こり、マウスの骨が形成された事が証明された。 2 キメラの内軟骨性骨化モデルからのcDNA作製と骨芽細胞誘導因子の由来の同定 採取したサンプルの半分からRNAを抽出し、cDNAを作製した。次に骨芽細胞を分化誘導する種々のサイトカインについて、ニワトリとマウスの遺伝子配列に特異的なプライマーを用いる事により、骨芽細胞を誘導する各サイトカインが血管由来(マウスの遺伝子特異的)か軟骨由来(ニワトリの遺伝子特異的)かを検討した。 血管侵入から骨形成が起こるまでの各時期における軟骨由来、血管由来の各サイトカインの発現と骨形成の組織像との比較検討を行い、骨形成の時期におけるサイトカインの分布の変化を検討した。 骨形成初期ではBMP2、BMP7が軟骨由来で高く発現したおり、VEGF、BMP4が血管由来で高く発現している事が分かった。
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