2006 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨化の骨芽細胞分化における新生血管の機能的役割の解明
Project/Area Number |
05J52732
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
結城 美智子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 内軟骨性骨化 / 骨芽細胞分化 / キメラ / 血管新生 |
Research Abstract |
内軟骨性骨化では肥大化軟骨内への血管侵入の後、骨形成が起こる。血管侵入がないと骨形成が起こらないことから、骨形成における血管の重要性が示唆される。本研究では内軟骨性骨化モデルにおける骨芽細胞分化の解明のため、ニワトリの肥大化軟骨とマウスの血管を用いたキメラの内軟骨性骨化モデルを用いて、ニワトリとマウスの生物種の差を利用して、軟骨が発現する遺伝子か、血管が発現する遺伝子かを区別し、骨を形成する肥大化軟骨内の血管と全身に分布する血管との相違を遺伝子発現解析により検討した。 前年度では、キメラの内軟骨性骨化モデルから骨形成が起こるまでの様々な時期のcDNAを合成した。遺伝子発現解析の結果、マウスの血管由来の骨の形成を認めた。また、内軟骨性骨化モデルでの骨形成初期ではBMP2、BMP7が軟骨由来で高く発現しており、VEGF、BMP4が血管由来で高く発現していることが判明した。今年度は以下の検討をした。 1 血管での骨芽細胞分化関連遺伝子発現の検討 キメラの内軟骨性骨化モデルにおいて、マウスの血管由来の骨が形成されたことから、血管での骨芽細胞分化関連遺伝子の発現の違いについて検討した。マウスとマウス胎児の血管系臓器、骨髄からmRNAを抽出し、cDNAを合成した。遺伝子発現解析の結果、骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2とOsterixの遺伝子発現が内軟骨性骨化に関与する骨髄の血管以外に膀帯にも発現していることが判明した。 2 In vitroでの骨芽細胞分化における血管の役割の検討 膀帯血管での骨芽細胞分化関連遺伝子の発現を認めたため、In vitroで、内軟骨性骨化モデルで注目したBMP2、BMP4、BMP7を添加して、血管内皮細胞と線維芽細胞の共培養、血管内皮細胞のみの培養、線維芽細胞の培養を行った。その結果、3種のBMPを添加した共培養系にのみOsterixの遺伝子発現が認められた。
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Research Products
(2 results)