2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J52762
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
一井 愛雄 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超純水 / 電気化学加工 / シリコン / 平坦化 / 触媒電極 / アルミニウム / アルカリエッチング / 微粒子 |
Research Abstract |
申請者は、水分子を解離する機能を有する官能基で修飾された電極表面で水分子を分解し、電気化学的にH^+を被加工物表面に供給して加工を行う方法を提案した。この方法では超純水中においては電極間距離の接近した部分しかイオン電流が流れないため、微細構造を作製しているのに適している。そこで工具電極と試料電極の電極間をサブミクロンまで接近できる装置を作製し、この装置の陽極側の工具電極には4級アンモニウム基(-N+(CH_3)_3)を修飾した先端半径11μmの金電極を用い、陰極側の試料電極にはAlを装着し超純水中で加工を行った。その結果、直径3μmの微細な加工痕を作製することができた。 さらに申請者は実用速度で様々な材料を平滑・任意形状加工することを目指して、4級アンモニウム基修飾微粒子を超純水中に分散した液を利用した加工法を開発した。一般的なSiのエッチングにはKOH水溶液や有機アンモニウム溶液が用いられているが、加工後の表面粗さは市販ウエハから大きく悪化する。これは溶液内の重金属が析出するためである。さらにアルカリ金属イオンが存在するとSi内にイオンが浸透し、電気特性が変化するため電子デバイスの製造プロセスには適用できない。申請者の開発した方法では、微粒子と重金属イオンやアルカリ金属イオンとを透析により容易に分離できるため、平滑に加工でき、また電子デバイス製造プロセスにも適用できる。さらに加工に用いた微粒子は透析により再生できるため廃棄物を出さず環境にも優しい。 まず透析により高純度化した粒径30nmの微粒子分散液中において陰極側のp-Si(001)を電気化学加工した。その結果、64×48μmにおいて0.1228nmRaの平滑表面が作製できた。また粒径サイズや官能基を変えることでSi、Alの電極形状が転写された構造も実用速度で作製でき、この構造をもとにしたNC加工も可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)