2005 Fiscal Year Annual Research Report
関数データに基づく統計的手法の開発と生命科学への応用
Project/Area Number |
05J52912
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
茅野 光範 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 関数データ解析 / 主成分分析 / 平滑化 / 基底関数 / モデル評価基準 / タンパク質立体構造 |
Research Abstract |
本研究では,関数データ解析におけるモデリングに情報量基準を導入することと,生命科学データに対して関数データ解析を行い,従来の生物学的な知見に加えて統計的な考察をすることを目的とする.今年度は,主に,関数主成分分析の理論とその応用例としてタンパク質立体構造データについて研究した. タンパク質立体構造データに対して,3次元空間の離散時点観測データを3次元関数データとして表現し,関数主成分分析を行った.ただし,タンパク質毎にアミノ酸の配列数(観測数)が異なるのでXYZ座標データの長さを共通の定義域に圧縮して平滑化を行った.その結果,本研究で取り上げたタンパク質について,従来の生物学的な分類と主成分プロットが対応するという結果を得た.したがって,本研究で用いた統計的手法を用い,タンパク質立体構造の定量的な分類が可能であると思われる.来年度は,XYZ座標データの長さを圧縮せずに様々なタンパク質に対して分析を行い,新たな知見を得ることを目的とする. また,関数データ解析における情報量基準の導入の第一歩として,関数主成分分析における交差検証法から一般化交差検証法への拡張を試みた.その結果,従来の回帰分析での交差検証法と関数主成分分析における交差検証法が類似した形で与えられることがわかった.この結果から,関数主成分分析における交差検証法に対する計算量の削減と,関数主成分分析における一般化交差検証法の導入が期待できる.
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Research Products
(1 results)