2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J53033
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岸 友紀子 自治医科大学, 医学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ES細胞 / 造血幹細胞 / 遺伝子操作 / HoxB4 / 発現調整 / センダイウイルスベクター / 分化誘導 / 霊長類 |
Research Abstract |
ES細胞を用いた再生医療技術を確立すべく、まずヒトと同じ霊長類のサル(カニクイザル)のES細胞を用いて研究を行っている。これまで私が所属する研究室では、サルES細胞を用いて造血系の細胞へ分化誘導し、同種であるサル、または異種であるヒツジへ移植すると、いずれも生着することを確認している。しかし、生着したとはいえ、その割合は非常に低く、改善が望まれている。生着を向上させるためには、より効率的な分化誘導法を開発すること、及び移植細胞が免疫拒絶されることを抑制することが必要である。 サルES細胞はエレクトロポレーションやリポフェクトアミンを用いた遺伝子の導入効率は非常に低く、レトロウィルスやレンチウイルスを用いても、遺伝子の導入は難しい細胞株である。しかし、我々が用いているセンダイウイルスベクターは、このサルES細胞に非常に高効率に遺伝子を導入することが出来ることがわかっており、このセンダイウィルスベクターを用いてサルES細胞に外来性遺伝子を導入し、造血系細胞への分化効率が改善するか否かを確認する作業を現在進行中である。 特に、私はHoxB4遺伝子に注目し、現在研究を進めている。HoxB4はマウスES細胞では造血系への分化を改善することが明らかであるが、霊長類のES細胞では、効果があるとされるもの、ないとされるもの両方の報告がなされており、これから十分な検討が必要な遺伝子である。 また、外来性遺伝子を導入し過剰発現させることにより、移植細胞が腫瘍化をきたす恐れが有り、それを抑制するため、導入遺伝子の発現をコントロールする方法についても研究を進めている。
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