2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J54081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
別所 正博 東京大学, 大学院・情報学環, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / ロケーションアウェアネス / コンテクストアウェアネス / ヒューマンナビゲーション |
Research Abstract |
平成17年度は、ユビキタス場所情報システムの構築に向けた、環境記述モデルの構築を目的とした研究を行なった。具体的には以下の3点に取り組んだ。 1点目は、ヒューマンナビゲーションという応用に焦点を絞ったケーススタディである。ユニバーサル社会実現の観点からも特に求められている、状況を反映したヒトのナビゲーションを実現するために、ヒトの移動と環境に付随する状況情報を扱うことのできる環境記述モデルを構築した。さらに、このモデルを3つの実在環境に適用し、ヒューマンナビゲーションの観点からの妥当性を検証した。なお、この成果は情報処理学会論文誌に投稿を行ない、現在査読を受けている。 2点目は、上のケーススタディに基づく、より汎用的な環境表現モデルの検討である。ここでは他の研究者と連携して、場所の表現に留まらないより広範な視点から、ユビキタスコンピューティング環境実現のための実世界表現の枠組みの検討を行なっている。具体的には、実世界を構成する場所やモノといった多様な事物にすべて固有の識別子を割り当て、その識別子間の関係表現としての実世界モデルを検討している。現在は検討段階であるが、最終的には上のケーススタディで得られた知見を、この枠組みに反映させたいと考えている。 3点目は、場所を利用した応用システムに関する研究である。実際にRFIDをはじめとしたデバイス類が埋め込まれた環境中で、いくつかのプロトタイプアプリケーションを実装した。さらに上で述べたヒューマンナビゲーションに関しては、その実現の核となる経路生成方式に焦点を絞った研究を行なった。そして上の環境記述モデルに基づき、状況を反映した経路生成を行なう手法を考案し、テストアプリケーションによる手法の検証を行なった。この成果は情報処理学会UBI研究会において発表した。今後、実世界で動作するプロトタイプシステムを実装し、その検証を行う予定である。
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