2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J54081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
別所 正博 東京大学, 大学院学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / コンテクストアウェアネス / ロケーションアウェアネス / 位置情報システム / 歩行者ナビゲーション |
Research Abstract |
誰もが自律的に移動することのできる環境の実現のために,歩行者ナビゲーションの実現が望まれている.しかしGPSなどを用いた従来方式ではその適用範囲およびサービス粒度に限界があった.本年度の研究では,ユビキタス場所情報システムの最重要ユースケースとして歩行者ナビゲーションを位置付け,これらの限界の解決を主眼に研究を行った. 本研究で開発した歩行者ナビゲーションシステムuNaviでは,まず環境中に小型の空間識別デバイスを偏在的に配置する.空間識別デバイスは環境の一定エリアにのみ信号を発する.ユーザはこれらのデバイスと通信することのできる端末を保持し,信号をもとに現在地を把握する.端末は位置情報の粒度を考慮しつつ探索した経路を提示し,ユーザを目的地に誘導する. 本研究ではまた,特に都市インフラとしてuNaviを導入することを念頭に,実環境への空間識別デバイス配備の方法論構築を目指した.uNaviでは,歩行者ナビゲーションに必要な位置情報を取得するために,粗い粒度の網羅的な位置把握と,移動要所でのきめ細かい重点的な位置把握を併用することを想定している.ケーススタディとして,東京銀座,神戸南京町,神戸空港という実在する3エリアに対してユースケースに応じた粒度の複数種類のデバイスを実際に配置し,uNaviを試験運用することで,提案手法の妥当性を検証した. 現在,提案手法の性能の定量的評価実験を行なっている.具体的にはGPSなど従来手法と比較対象として,位置情報源としての適用範囲および粒度を測定している.本実験の結果が出た時点で論文発表を行なう予定である.
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