2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J54271
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
植本 琴美 高知工科大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NPM / 厚生経済 |
Research Abstract |
近年、国・地方を問わず財政の深刻化を背景に行政の効率化が求められている。特に地方自治体レベルでは本格的な分権時代を迎えてNPMに強い関心が集まっている。昨年度修士課程の研究において、廃棄物行政へのNPMの導入検討を行った。第一次研究として、実在する地方自治体を研究対象とし、廃棄物行政のNPMによる改善を提案した。限定された範囲で施策マトリックスを作成し、指標毎の評価関数により個々の施策の最適予算水準、施策マトリックスに対する最適予算ポートフォリオを導出する基礎的なシステム研究を行なった。この基礎研究で得た知見をもとに、高知県南東部に位置する9市町村で構成される清掃組合での可燃ごみ削減量を含めた施策選択、投資効果の評価・計測によるインフラ投資戦略を提案した。 清掃組合では、搬入された可燃ごみを焼却処分することが目的となっていたため、社会システム全体として捉えたインフラ整備への投資判断が行われていなかった。そこで、財務分析として、今後清掃組合が維持できる廃棄物処理費用を算出した。また、ごみ処理経費削減の施策検討を行った。可燃ごみ削減を戦略目標とした施策案に対して、住民の意識をマーケティングにより把握した。アンケート結果を用いて導出した評価関数と財務分析を用いて、持続可能な経営判断を行うことを可能とした。社会システムにインフラ整備などの経営判断が社会システムの中で常に行えるフィードバック機能をもたせる提案を試みた。 同様の手法を財政に占める割合が大きい社会保障関係に適応するために、介護サービスの内容や水準などの実態についてサービス体験等を通して把握した。本研究においては、実際の小規模自治体の行政全体で機能するNPM(行政経営)の研究・開発が目的であることから、以下の相違を明らかにすることによって、我が国における小規模自治体に適応するシステムの構築を導き出し社会システムの構築を目指す。 1、制度も法律的枠組みも異なる日本において新しい手法が導入されたからといってそのまま効果を発揮するかどうか 2、高福祉社会といわれているスウェーデンと我が国の社会保障の相違
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