1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041047
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Research Institution | Nagoya Uiversity |
Principal Investigator |
小谷 凱宣 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (40111091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FITZHUGH W.W 米国立自然史博物館, 極北研究センター, 所長
新美 倫子 名古屋大学大学院, 人間情報学研究科, 助手 (10262065)
出利葉 浩司 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸員 (40142088)
切替 英雄 北海学園大学, 教養部, 助教授 (20205040)
西本 豊弘 国立歴史民族博物館, 考古研究部, 助教授 (70145580)
佐々木 利和 東京国立博物館, 資料部第二研究室, 室長 (80132702)
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Keywords | アイヌ文化 / アイヌ物質文化 / 北太平洋地域 / 北方文化 / 物質文化 / 北方民族学 / アイヌ・コレクション / 博物館コレクション |
Research Abstract |
今年度は西欧所蔵のアイヌ資料と北米アイヌ資料との比較研究を進め、在米アイヌ資料に関する補充調査を実施した。比較の試みを通して、西欧の研究者がアイヌ研究と資料収集に特に関心を抱いた知的背景がかなり明確になってきた。特にフランツ・フォン・シ-ボルト以降、「高貴なる野蛮人」、失われたヨーロッパ人、消滅しつつある狩猟民としてのアイヌ文化への学問的関心が、アイヌ研究をを推進した。19世紀半ば頃から提唱されたアイヌ=コーカソイド仮説は、欧米諸国民と研究者の関心を高めた。第一次大戦勃発とそれに伴う社会変化のため、アイヌ文化を含む狩猟文化研究が停止した。日本人研究者によるアイヌ研究は、その停止期以降に始まったことが浮き彫りにされてきた。 前年までの在米アイヌ資料の調査の遺漏を補うために、シカゴとニューヨークで補充調査を実施した。シカゴではシカゴ大学図書館特別資料部所蔵のF・スターのコレクションのうち、ランターン・スライド類を精査し、さらに、写真類も入手した。フィールド自然史博物館のアイヌ資料に関する背景記録は、前回までの調査時には不足していたが、今回の補充調査で、収集者に関する情報を入手することができた。ニューヨークのアメリカ自然史博物館所蔵の資料のなかで、A・C・ジェイムスの寄贈品についての詳細な資料を入手できた。これらの補充調査により、北米アイヌ資料の調査はほぼ終了したと考えている。 海外アイヌ・コレクションの調査研究は、特定民族に関わる博物館資料の悉皆調査としては、世界で初めて実施しているものである。その意味で、本研究計画による研究成果に、とくに北太平洋地域の研究者が一致して注目しており、欧米の北方文化研究者が立案しているジェサップ2計画の先駆的役割を果たすものである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 小谷凱宣: "アイヌ研究の問題点と研究の緊急性" 民俗学研究. 61. 245-262 (1996)
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[Publications] 佐々木利和: "松代文庫本沿海異聞について" 松代. 9. 1-9 (1996)
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[Publications] 西本豊弘: "考古学から見たアイヌ文化研究の問題点" アイヌ文化の形成と変容(小谷凱宣編). 48-50 (1996)
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[Publications] 切替英雄: "金田一以前の明治期アイヌ語研究:神保小虎のアイヌ語への関心" アイヌ文化の形成と変容(小谷凱宣編). 71-79 (1996)
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[Publications] 出利葉浩司: "博物館民族資料はいかに収集されたか-明治年間に残された外国人の記録から-" 北海道開拓記念館研究紀要. 25(掲載予定). (1997)
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[Publications] 新美倫子: "エゾシカの死亡時期査定" 動物考古学. 9(掲載予定). (1997)
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[Publications] 小谷凱宣(編): "アイヌ文化の形成と変容" 名古屋大学人間情報学研究科, 165 (1996)
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[Publications] 小谷凱宣(編): "欧米アイヌ・コレクションの比較研究" 名古屋大学人間情報学研究科, (1997)