1995 Fiscal Year Annual Research Report
躍進期中国のリーディング産業に関する調査研究-テレビ、自動車、工作機械、鉄鋼、電力-
Project/Area Number |
06044210
|
Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 名古屋経済大学, 経済学部, 教授 (80216415)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 治 中国人民大学, 経済学研究所, 副所長
胡 乃武 中国人民大学, 経済学研究所, 所長
周 才裕 中国国家計画委員会経済研究所, 所長
上山 邦雄 城西大学, 経済学部, 教授 (90095307)
三浦 東 名古屋経済大学, 経済学部, 教授 (60257722)
二瓶 敏 専修大学, 経済学部, 教授 (40083498)
|
Keywords | 中国産業 / 改革開放政策 / 中国産業政策 / テレビ産業 / 自動車産業 / 工作機械産業 / 鉄鋼産業 / 電力産業 |
Research Abstract |
第9次5カ年計画策定の最終段階を迎えて中国産業政策においても流動的要素が拡大し、企業変革も加速される可能性も高まりつつあるので、目を離せない状況にある。 中国自動車産業の急速な発展は、上海大衆車のサンタナ最終組立ラインがタクト2分で動いていることに示されている。現状において生産効率は、ほとんどの工場で、リーン生産方式の導入、生産システムの高度化によって向上してきている。日本の自動車産業の進出は、自動車部品産業を中心とした部門に主力が置かれており、日系の自動車部品企業の中国進出は、数年前に10社程度であったものが、最近では、急速に拡大しつつある状況にある。 中国電力産業の最大の課題は、急激な経済成長に追随できない電力供給設備の不足の解消にある。この深刻な電力不足の解消のためには、設備容量の拡大に必要な資金の確保が急務となっている。しかるに(1)物価政策との絡みで、電力料金が発電コストを割り込む低い水準に置かれているために投資回収が難しい(2)投資回収のベースとなる経営主体の形成が遅れいる等の要因が産業内に内在しており、その解決が焦眉の課題となっている。 テレビ産業においては、「自主権の下放」が進展し、生産営業自主権、部品調達権、価格決定権、販売自主権、資金使用権等にが、程度の差はあるにしても、一応確保できるようになった。この分野では、いずれの企業においても日本式の生産管理方式が導入されてきたが、一方では、刺激給(出来高奨励金)を組合わせた賃金システム、現場管理手法などの導入も進んでいる。 工作機械産業は、合併を通して経営力の強化をはかる傾向が潮流となっているが、ユーザーのニーズに適合する企画力をもつベンチャー企業の形成がむしろ課題と言える。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 鈴木 利治: "改革開放下の中国電力産業の現状と課題 I" 経済経営論集(名古屋経済大学経済・経営研究会). Vol.3(3). 17-27 (1996)
-
[Publications] 鈴木 利治: "改革開放下の中国電力産業の現状と課題 II" 経済経営論集(名古屋経済大学経済・経営研究会). Vol.4(1). 34-58 (1996)
-
[Publications] 三浦 東: "中国の市場開放はわが国工作機械の脅威となるか" 経済経営論集(名古屋経済大学経済・経営研究会). Vol.4(1). 1-8 (1996)
-
[Publications] 上山 邦雄: "日本企業の対外技術移転の現状-テクノグローバリゼーションの観点から-" 城西大学経済経営紀要. Vol.14(1). (1996)
-
[Publications] 上山 邦雄: "「戦後の加工組立産業」、「自動車産業」(産業学会『戦後日本産業史』)" 東洋経済新報社, (1995)
-
[Publications] 〓 燕書: "「企業改革-牡丹の事例を中心にして-」(松崎 義編『中国の産業に関する研究』)" 法政大学比較経済研究所, (1995)
-
[Publications] 〓 燕書: "「華南地域の日系企業に関する一考案」(板垣 博編『台湾・韓国におけるハイブリッド工場』)" ミネルヴァ書房, (1995)