1996 Fiscal Year Annual Research Report
金属タンパク質の界面電子移動制御とその生物電気化学的応用
Project/Area Number |
06045042
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARRELL Nich バージニアコモンウエルス大学, 化学科, 準教授
CHELEBOWSKI ジャン エフ バージニアコモンウエルス大学, 化学科, 教授
HAWKRIDGE Fr バージニアコモンウエルス大学, 化学科, 教授
木田 建二 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
西山 勝彦 熊本大学, 工学部, 講師 (10202243)
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Keywords | 金属タンパク質 / 界面電子移勤 / 単結晶電極 / 機能修飾電極 / 分光電気化学 / 酵素触媒反応 / 再構成ミオグロビン / アミノ酸変異分子 |
Research Abstract |
本研究では、金属タンパク質の構造変化による機能制御の本質を解明、応用するための基礎を確立するため、日米二つの研究グループの得意な領域を有機的に結合して、金属タンバク質の電子移動反応に関する基礎的知見の増大と新しい概念の創出を目指して研究を進めている。本年度の成果として以下のことが挙げられる。 1.金属タンパク質の界面電子移動制御とその生物電気化学的応用について (1)ミオグロビン、ヘモグロビン、チトクロムc、フェレドキシンなどの電子移動制御が可能となった。本年度は特に、チトクロムcのための機能修飾電極について、単結晶電極上に機能化分子を修飾した電極を作製して、その機能を電気化学法、分光学、走査プローブ顕微鏡などを用いて詳細に明らかにした。 (2)フェレドキシンのアミノ酸改変体を作製し、そのレドックス電位や酵素反応速度への影響の定量的な解析から、フェレドキシンの機能をアミノ酸残基レべルで明らかにした。 2.金属タンパク質の構造変化のダイナミクス測定について 電気化学法及び新しいCD分光電気化学法などを用いて電子移動過程に伴うミオグロビン及びフェレドキシンの電子移動速度及び電子移動に伴う構造変化のグイナミクスに関する新しい知見を得た。 3.フェレドキシンの電子移動制御と光合成モデル生体機能化学反応への応用について フェレドキシンの電極反応を、フェレドキシン-NADP^+-リダクターゼ(FNR)系と共役させ、さらにNADPHを補酵素とする酵素と共役させて、立体選択的精密化学合成へと展開した。具体例として、オキソグルタル酸からL-グルタミン酸が得られ、また、酵素反応の速度論的解析とシミュレーション法を用いた反応機構の解明のための手法を開発した。 4.半人工改変金属タンパク質のユニークな機能発現の分子構造的解明 (1)ミオグロビンを用いて、その活性中心を人工分子で置換した半人工再構成分子を作製し、その特性を電気化学的に明らかにした。特に、ヘム鉄の配位子であるヘミンの構造やヘム鉄周りの分子内環境が酸化還元電位やミオグロビンの機能の発現に重要であることが示された。 (2)フェレドキシンのアミノ酸変異分子の酸化還元電位の大きな変化は、主に、特定のアミノ酸残基への置換によって生じる鉄-イオウクラスターの歪みによって生じる可能性が、コンピューター分子構造モデル計算による立体構造表示から示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] TANIGUCHI, Isao: "Electrochemistry of Chlorella Ferredoxin at Modified Indium Oxide Electrodes and Its Application to Bioelectrocatalytic Reactions" Proc. 2nd Japan-Korea Joint Seminar on Electrochemistry. 11-12 (1996)
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[Publications] TANIGUCHI, Isao: "Electrochemistry of Metalloproteins at Functional Electrodes" Proc. Int. Symp. on Electron Transfer in Proteins and Supramolecular Assemblies at Interfaces. 149-150 (1996)
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[Publications] TANIGUCHI, Isao: "Preparation of Semi-Artificial Myoglobins and Their Electrochemical Reactions" Proc. 7th Int. Symp. on Electrochemistry. 36-37 (1996)
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[Publications] TANIGUCHI, Isao: "Electrochemistry of monoazahemin reconstituted myoglobin at an indium oxide electrode" J. Electroanal. Chem.(in press). (1997)
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[Publications] TANIGUCHI, Isao: "Effect of the Structure of Modifiers Adsorbed on Gold Single Crystal Surfaces on the Promotion of the Electrode Reaction of Cytochrome c" Chem. Lett,. 1997(in press). (1997)
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[Publications] FUSHINUKI, Yoshito: "Electrochemical Analysis of Water-soluble Paraquat and Diquat in Urine" Denki Kagaku. 65(in press). (1997)
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[Publications] 谷口 功: "触媒技術の動向と展望:1997(研究動向:生体触媒)" 触媒学会(印刷中), (1997)