1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06221222
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 教授 (80108448)
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Keywords | 繰り込み群 / 無限次元代数 / 弦理論 / 行列模型 / 二次元重力理論 / ビラソロ代数 / 2+ε次元 / ディラトン |
Research Abstract |
我々は可積分系の典型的な例として行列模型を取り上げ、繰り込み群を用いて研究した。行列模型で表されている二次元重力の可積分系としての数学的構造を場の変数についての変数変換の自由度として理解し、ビラソロ代数の表現として恒等式を導いた。我々は、この恒等式を用いて繰り込み群を厳密に解くことに成功した。中心電荷が1を越えるような物質場と相互作用するような解けない場合にも臨界指数などの有用な情報を得るために、繰り込み群理論が役立つと思われる。我々はまず、1行列模型については、中心電荷が1以下の場合について、繰り込み群方程式を導くことに成功した。この繰り込み群方程式は予想に反して、非線形となる。我々はさらに、2行列模型についても、変数変換の恒等式を具体的に求め、厳密な繰り込み群方程式を導くことに成功した。この繰り込み群方程式を解いて厳密解が得られることを示した。 一方、量子重力のもう一つの定式化として2+ε次元での量子重力理論がある。この考え方は、二次元では重力が繰り込み可能になるはずだという点に着目して、高次元での量子重力を解析接続によって得ようとするものである。我々はこの理論に、ディラトンを取り入れることによって、従来の困難を解決した。すなわち、重力理論は二次元で位相的理論となり、不連続となる。我々は、ディラトンを導入することによっては解析接続可能な量子重力理論が構成できることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Matsumura, N.Sakai and H.Shirokura: "Macroscopic Loop Amplitudes in Two-dimensional Dilaton Gravity" Prog. Theor. Phys.90. 201-217 (1993)
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[Publications] S.Kojima, N.Sakai: "Dilaton Gravity in 2+ε Dimensions" Nucl. Phys.B426. 223-243 (1994)
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[Publications] T.Inui, T.Ichihara, Y.Mimura and N. Sakai: "Cosmological Baryon Asymmetry in Supersymmetric Standard Models and Heavy Prticle Effects" Phys. Lett.B322. 392-400 (1994)