1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06229205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
万波 道彦 京都大学, 工学部, 教授 (60025294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康文 京都大学, 工学部, 助手 (00196784)
木村 健二 京都大学, 工学部, 助教授 (50127073)
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Keywords | 鏡面反射イオン / 表面チャネリング / 荷電変換 / オコロコフ効果 / コンボイ電子 |
Research Abstract |
実験に使用している京都大学タンデトロン加速器と散乱槽の間に、荷電変換装置を製作・設置してその性能を調べた。この荷電変換器によりこれまで得られなかったC^<5+>等の多価イオンを得ることができるようになった。 この荷電変換装置によって得られた3.2MeVのLi^<+〜3+>を、SnTe(001)清浄表面に入射させて、鏡面反射方向に反射されたイオンのエネルギースペクトルを高分解能スペクトログラフを用いて測定し、鏡面反射イオンのエネルギー損失を荷電状態および入射角度の関数として求めた。得られた結果を、表面における荷電変換とエネルギー損失の統計モデルをもとに解析し、表面からの距離に依存する荷電変換確率を求めることができた。同様な測定を2MeVのC^<3+〜5+>イオンについても行い、現在解析中である。 3〜4MeVのB^<3+>イオンをSnTe(001)表面で<100>表面チャネリングさせその荷電分布とエネルギースペクトルを測定した。このシステムでは、3.5MeVに1s^2から1s2pへの共鳴励起(Okorokov effect)が存在している。この共鳴エネルギーにおいて、3価イオンの割合が減少することが観測された。これは共鳴励起されたイオンの電子損失確率が基底状態に比べて大きくなるためであると考えられる。このように従来観測されていたバルク結晶内における共鳴励起現象が表面においても観測されたと考えられる。確認のための再度の実験を計画中である。 これらの研究と平行して、昨年行った鏡面反射多価イオンが放出するコンボイ電子加速の実験結果を、CTMC法によって説明することを試みた。その結果、コンボイ電子の加速現象をクーロン場とウェイク場内のコンボイ電子の虹散乱として解釈できることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Mannami: "Rainbow scattering of convoy electrons near surfaces" Physical Review Letters. 73. 2508-2511 (1994)
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[Publications] M.Mannami: "Charge-state dependence of energylosses of 3.2 MeV Li ions specularly reflected from surface of single crystal" Nuclear Instruments and Methods. (印刷中). (1995)
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[Publications] Kenji Kimura: "Energy loss straggling of 0.5-MeV protons specularly reflected from aSnTe(001) surface" Nuclear Instruments and Methods. (印刷中). (1995)