1994 Fiscal Year Annual Research Report
スピンドル極体の機能から見た分裂装置形成の制御機構
Project/Area Number |
06262229
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
升田 裕久 理化学研究所, バイオデザイン研究グループ, 基礎科学特別研究員 (30260219)
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Keywords | スピンドル極体 / 分裂装置 / 分裂期 / 分裂酵母 / ガンマチューブリン / 微小管 |
Research Abstract |
分裂酵母の分裂装置はスピンドル極体(SPB)から重合した微小管により形成される。SPBの微小管形成能は分裂期特異的に活性化される。間期の不活性SPBにアフリカツメガエル卵分裂期抽出液で処理することによって分裂期型の活性SPBの変換できるcell-free系を用いて、活性化の分子機構を研究している。本年度は、活性化に必要なキナーゼとcdc2キナーゼの関係、SPBの構成成分であるガンマチューブリンの微小管重合核形成における役割について調べ、活性化の作業仮説の構築を試みた。 1.immunodepletionによってcdc2キナーゼあるいはMAPキナーゼを除いた分裂期抽出液中でSPBが活性化され、しかもキナーゼ阻害剤で抑制されることから、cdc2キナーゼやMAPキナーゼと異なるキナーゼによるリン酸化が活性化に必要であることが示唆された。 2.SPBの構成成分であるガンマチューブリンのC末端側を認識する抗体が不活性型から活性型への変換、および活性型からの微小管形成を阻害すること,N末端側を認識する抗体が不活性型から活性型への変換を阻害するが,活性型からの微小管形成はあまり阻害しないことから、ガンマチューブリンが微小管重合核の構成因子であること,C末端側がチューブリンとの結合部位,N末端側が活性化に関与する部位である可能性が示唆された. 3.大腸菌中で発現した分裂酵母のガンマチューブリンを抽出液に加えることによって活性化が阻害できることから、ガンマチューブリン結合ビーズを用いて分画を試みた.活性化にはガンマチューブリンビーズに結合する画分と結合しない画分の両方が活性化に必要であることから、抽出液中の複数の因子が活性化に必要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masuda,H.: "The formation and functioning of yeast mitotic spindles." Bio Essays. 17. 45-51 (1995)
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[Publications] Masuda,H. Shibata,T.: "Role of gamma-tubulin in mitosis-specific activation of the S.pombe Spimdle pobe body." Molec.Cell Biol.5. 39a (1994)