1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06264213
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (10218589)
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Keywords | インスリン / グルコーストランスポーター / グルコース取り込み / Gタンパク / シグナル伝達 |
Research Abstract |
インスリンは標的細胞である、筋肉、脂肪組織などにおいてグルコーストランスポータータイプ4(GLUT4)を細胞内の膜分画から細胞膜上にtranslocationすることにより、グルコースの取り込みを促進する。脂肪細胞をα-トキシンで透過性を亢進させGTP-γ-Sを加えるとGLUT4のtranslocationが起こることから、この過程にはGタンパクが深く関与している可能性が以前より示唆されてきた。インスリン刺激によるGLUT4のtranslocationの分子メカニズムを解明することは、糖尿病の病因究明にもつながる重要な課題である。 このトランスポーターのtranslocationにはrab familyが関与している可能性が考えられる。rab GDI(rab-GDP dissociation inhibitor)を細胞内で一過性に大量発現させれば、ほとんどのrabが不活性型(GDP型)になると予想される。そこでrab-GDIcDNAをinducible promoterをもつ発現ベクターに入れ、我々の細胞系に導入し、stable cloneを得た。そしてinducerにより一過性にrab-GDIを細胞内で大量発現させるとrab familyタンパクのほとんどがGDPformとなり、不活性化されると予想された。この時、インスリン刺激によるGLUT4のtranslocationを検討したが、全く影響を受けなかった。また最近インスリン標的細胞では新たな低分子量Gタンパクであるrabが発見され、インスリンシグナル伝達との関係が予想されている。我々はGLUT4のtranslocationを見られる細胞系にradを安定に大量発現したクローンを確立して、インスリン刺激によるGLUT4のtranslocationを検討したが、ほとんど影響を受けなかった。このことからrabやradはGLUT4のtranslocationに関与している可能性が低く、新たなGタンパクを検索する必要が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kamohara,S.,Ebina,Y.et al.: "Platelet-derived growth factor triggers translocation of the insulin-regulatable glucose transporter(GLUT4)predominantly through PI 3-kinase binding sites on the recepter" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press).
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[Publications] Ishii,K.,Ebina,Y.et al.: "Epidermal growth factor triggers the translocation of insulin-responsive glucose transporter(GLUT4)" Biochem.Biophys.Res.Commun.205. 857-863 (1994)
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[Publications] Todaka,M.,Ebina,Y.et al.: "The role of insulin in activation of two enhancers in the mouse GLUT1 gene" J.Biol.Chem.269. 29265-29270 (1994)
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[Publications] Nishiyama,T.,Ebina,Y.et al.: "Expression of the gene encoding the tyrosine kinase-deficient human insulin receptor in transgenic mice" Gene. 141. 187-192 (1994)