1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06302066
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
町田 進 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70010692)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 重裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90010892)
吉成 仁志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20167737)
藤本 由紀夫 広島大学, 工学部, 教授 (60136140)
三村 宏 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80219716)
板垣 浩 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10017882)
|
Keywords | 構造安全性 / 欠陥評価 / 信頼性工学 / 破壊靭性値 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
構造物の安全性の確保を確固たるものにするには、設計段階のみならず、施工、保守、管理という一連のプロセスを通して全体的に安全性の手法を講じるべきであり、そのためには、従来の破壊力学の知見を集大成し、これには信頼性工学の導入を図ったトータルな評価システムの確立が必要である。本研究では、亀裂を含む構造物の安全性評価システムの構築を目的に、そのサブシステムに当たる要素技術について検討し、その成果を有機的に結びつけて、最終的に信頼性工学の概念を導入した欠陥の破壊力学的評価システムの提案を行ったものである。各要素技術おける成果は、(1)船体構造に存在しうる亀裂についてのアンケート調査から、初期欠陥の特性の把握を行った。(2)保守・管理に関する部分についてベイジアン信頼性解析を適用して検査の在り方を議論した。(3)構造的応力集中部に亀裂が存在する場合の破壊力学的パラメータの評価手法を提案した。(4)欠陥の検出システムとして、超音波探傷法をとりあげ、精度の検討やそれによる強度評価法の妥当性を検討した。(5)破壊靭性のばらつきを定量化するモデルを構築し、ばらつき特性のメカニズムを説明できることを示した。(6)欠陥評価において、亀裂長、評価ひずみ、破壊靭性値の3つのパラメータに、信頼性工学に基づいた部分安全係数を乗じて判定の信頼性を一定に保つための方法を提案した。 本研究で得られた新たな知見をベースに、既往の知見を有機的に結合することによって、近い将来、真に合理的な構造物の安全性評価システムが確立されることと思われる。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] Kawano A.,Itagaki H.,Ishizuka T.: "Selection of the First Inspection Time Based on Maximization of Amount of Information." 日本造船学会論文集. 176. 597-602 (1994)
-
[Publications] Kawano A.,Itagaki H.,Ishizuka T.: "An Application of Bayesian Decision Theory to the Design and Inspection of Marine Structures." 日本造船学会論文集. 176. 587-595 (1994)
-
[Publications] H.Mimura,K.Ando,K.Tsuji,T.Kobayashi: "SCATTER OF FRACTURE TOUGHNESS IN AN INHOMOGENEOUS MATERIAL" FATIGUE & FRACTURE OF ENGINEERING MATERIALS & STRUCTURES. Vol.18,No.4. 455-462 (1995)
-
[Publications] S.Machida,H.Yoshinari,S.Kaneda: "On the Interction Criteia in Defect Assessment Methods" 圧力技術. 33. 204-215 (1995)
-
[Publications] 町田 進,宮田隆司,吉成仁志,鈴木康弘: "脆性破壊に関する欠陥評価への信頼性工学の導入" 構造物の安全性および信頼性 JCOSSAR'95論文集. 3. 153-156 (1995)
-
[Publications] 山本規雄,町田 進: "船体のき裂損傷調査とその発見の可能性" 構造物の安全性および信頼性 JCOSSAR'95論文集. 3. 215-218 (1995)
-
[Publications] 三村 宏: "鋼の破壊靭性のばらつき" 構造物の安全性および信頼性 JCOSSAR'95論文集. 3. 297-600 (1995)
-
[Publications] 板垣 浩,篠塚正宣 朝田洋雄,伊藤誠一: "ベイジアン信頼性解析を適用した非定期構造検査に関する研究" 日本造船学会論文集. 179. 359-368 (1996)
-
[Publications] 藤本由紀夫,金 成燦 新宅英司,大高勝夫: "アンケート調査に基づく船体構造検査と疲労信頼性の検討" 日本造船学会論文集. 180. 601-609 (1996)
-
[Publications] 町田 進,吉成仁志,金田重裕,宮田隆司: "溶接構造物の欠陥評価における安全率について" 日本材料学会 第14回材料・構造信頼性シンポジウム講演概要集. 125-130 (1996)
-
[Publications] 増田智紀,町田 進,吉成仁志,榎並啓太郎: "超音波探傷による構造部材の破壊強度評価手法" 日本非破壊検査協会 平成8年度秋季大会講演概要集. 209-212 (1996)