1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本周辺の浅海性動物とプレートテクトニクスとの関連について
Project/Area Number |
06304008
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Research Institution | National Science Museum, Tokyo |
Principal Investigator |
武田 正倫 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (20000143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 良平 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (70132925)
藤田 敏彦 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (70222263)
窪寺 恒己 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (80170041)
松浦 啓一 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (70141984)
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Keywords | 西表島 / 石垣島 / ドレッヂ / 底生生物 / 多板軟体類 / 頭足軟体類 / 多毛環虫類 / 魚類 |
Research Abstract |
1995年12月、西表島において底生動物の調査を、石垣島において魚類の調査を行った。また、1996年1月、西表島と石垣島において多毛環虫類の調査を行った。底生動物はスキユ-バ潜水による目視採集のほか、箱形ドレッヂおよび円筒形ドレッヂを用いて採集を行った。ドレッヂは網取湾の湾奥部から湾口にかけて、また沖合の水深100〜120mにわたる合計24地点において行った。得られた資料を船上で0.5mmおよび1mmの篩にかけて小動物を選択し、研究用標本として保存した。また、湾内においては、スキューバ潜水により得た岩や死サンゴ塊を船上に上げて割り、小動物を採取した。魚類の採集はスキューバ潜水により手網を用いて行い、一部は市場で購入して研究用補助標本とした。多毛環虫類は潮間帯および亜潮間帯で得た砂泥を濾過し、標本を得た。 現在、各動物群の分類学的研究が進められているが、すでにいくつかのグループで興味ある結果が得られている。多板軟体類は13種が採集されたが、2新種、6日本新記録種、2末詳種が含まれている。このうち、本州と共通するが3種、小笠原諸島と共通するのが1種、東南アジア熱帯海域と共通するが8種である。頭足軟体類は石垣島でウモレダコ、アナダコ、シマダコ、ヒョウモンダコなどが採集された。なかでも、分類学的に問題になっているヒョウモンダコに関しては、斑紋や生態などからオオマルモンダコと同定され、報告書を準備中である。多毛環虫類はとくに微小なピシオネ科を研究対象としたが、得られた6種には3新種、2新亜種が含まれている。採集された魚類は多くの属科にわたっているが、現在までヘビギンポ科に1新種、ハゼ科とタナバタウオ科にそれぞれ1日本新記録種が確認された。とくにタナバタウオ科の種は従来南半球からのみ記録されていたもので、生物地理学上興味がもたれる。
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