1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06401010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
中園 聡 九州大学, 文学部, 助手 (90243865)
中橋 孝博 九州大学, 大学院比較社会文化研究科, 助教授 (20108723)
田中 良之 九州大学, 大学院比較社会文化研究科, 教授 (50128047)
宮本 一夫 九州大学, 文学部, 助教授 (60174207)
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Keywords | 東アジア / 支石墓 / 弥生文化 / 埋葬 |
Research Abstract |
昨年度から継続している研究集会・「支石墓研究会」を定期的に開催し,中国・朝鮮半島・日本の東アジア諸地域の支石墓の集成とその分析を行い,相互の類似性と差異を総合的に比較検討した。 佐賀県唐津市所在の森田支石墓群の発掘調査を実施した。周辺の地形測量をし,分布状況と立地を把握した。その結果,多少の移動や破壊はみられるものの,現存する支石墓群としては,群として把握できる希有な例の一つということが再認識された。また,個々の上石についても個別の実測を行った。このうち2基の上石については,下部構造の調査を行った。上石の多少の移動はあったが,支石の一部や本来それに伴うとみられる埋葬施設の確認ができた。昨年度発掘調査を実施した長崎県天久保遺跡の支石墓下部は箱式石棺であったが,本遺跡では土壙状のものであり,また,付近からは刻目突帯文単純期に属する甕と壺を合わせた合口の甕棺も検出された。支石墓の構造の地域性を考えるのに役立つ知見である。本遺跡は弥生時代開始期の生活遺跡として有名な宇木汲田遺跡に隣接しており,その墓地とみなすことができる。この調査から,西北部九州における弥生時代開始期の様相を知る重要な手がかりが得られたといえる。 また,甲元教授が中心となり,中九州における支石墓の候補地とみられる熊本県植木町所在の田底支石墓において測量調査を実施した。 以上に併行して,今年度までの発掘調査資料の整理も継続し,遺物の復元・実測・実測図の整理や製図など,来年度の報告書作成へ向けての準備作業を行った。
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