1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁ミクロフィブリル構築とマトリックス堆積過程の立体表現化
Project/Area Number |
06404013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
深澤 和三 北海道大学, 農学部, 教授 (40001408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦木 康光 北海道大学, 農学部, 助教授 (90193961)
佐野 嘉拓 北海道大学, 農学部, 教授 (10001463)
佐野 雄三 北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
船田 良 北海道大学, 農学部, 助手 (20192734)
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001465)
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Keywords | 共焦点レーザー顕微鏡 / 表層微小管 / 免疫抗体法 / リグニン繊維 / 細胞壁形成 |
Research Abstract |
平成6年9月に共焦点レーザー顕微鏡を設置し、操作法を習得後、主に以下の研究を遂行し知見を得た。 1)針葉樹材分化中仮道管における表層微小管を、免疫抗体法により染色後、共焦点レーザー顕微鏡により観察した。表層微小管は、形成層細胞ではランダムに配列しており、その主配向は細胞軸に対してほぼ平行方向であったが、より木部側の仮道管(一次壁から二次壁外層への移行段階と推測される)では、細胞軸に対してほぼ垂直方向に配向していた。一方、二次壁形成中の仮道管において、表層微小管の配向は細胞軸に対して緩やかな斜め方向からほぼ平行方向に変化した。これらの結果は、表層微小管の配向が分化中仮道管において連続的に変化することを示している。またその配向変化は、細胞壁に堆積するセルロース・ミクロフィブリルの配向変化とよく一致しており、表層微小管がセルロース・ミクロフィブリルの堆積方向を制御していることが示唆された。 2)酢酸リグニンから調製されるリグニン繊維の内部構造を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて非破壊的に観察した。本研究では、蛍光物質による染色は行わず、リグニンの自家蛍光のみを観察したが、リグニン繊維の凹凸を確認することが出来た。特に繊維上端から約15μmの範囲で詳細な内部構造が観察された。しかしながら、それ以上の範囲では得られた画像の精度が不足しており、繊維全体の断面構造の観察には至らなかった。今後は、リグニンに選択的な蛍光染色剤の開発や染色法の改良等を検討することにより、リグニン繊維全体の内部構造の観察が可能になるものと思われる。 3)その他、細胞壁形成過程、形成機構に関して知見を交換し議論を行った。
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Research Products
(1 results)