1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06404015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
見上 彪 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20091506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 孝幸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282705)
遠矢 幸伸 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30021702)
甲斐 知恵子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10167330)
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Keywords | 持続感染 / FIV / FHV-1 / MDV / CDV / CD8 / ICP4 / DNA結合蛋白 |
Research Abstract |
ウイルスの持続感染はウイルス側としては生体防御を回避し、生体内に存続する一つの寄生戦略として、また宿主側としては寄生体の排除よりむしろ共存を図る高度な戦略として捉えられる。本研究は、ネコ、イヌ、ニワトリで臨床上重要なネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコヘルペスウイルス1型(FHV-1)、イヌジステンパーウイルス(CDV)、ニワトリのマレック病ウイルス(MDV)による持続感染と再活性化の機構を培養細胞及び自然宿主を用いて、主として分子生物学的手法によって分子レベル、細胞レベル及び個体レベルで解明することを目的とする。本年度は以下のような成績を得た。 1.FIVのLTR内のAP-1及びATF結合部位に細胞核内蛋白が特異的に結合しており、さらにそれら結合蛋白が実際にJunおよびATF関連蛋白であることがゲルスーパーシフトアッセイにより示された。2.ネコのCD8α鎖に対するモノクローナル抗体を作製し、CD8β鎖を認識するモノクローナル抗体を共に利用して、FIV感染ネコにおけるCD8細胞の動態を詳細に調べた。その結果、FIV感染ネコにおいてはCD8α陽性β陰性細胞が増加していることが分かった。現在、持続感染個体における同細胞群の機能を検討している。3.MDV-2のUs領域の塩基配列の決定を行った。また、Us領域の転写マップの作製と転写を制御するICP4遺伝子を含むIRs領域の塩基配列の決定に着手した。4.FHV-1のICP4遺伝子のプロモーターの解析を行い、2つのプロモーターにより発現が制御されていることを見いだし、プロモーター配列を欠損したFHV-1の作製を行っている。5.CDVのYanaka株がマ-モセット由来B細胞株であるB95a細胞で持続感染することを見いだした。持続感染細胞由来CDVは細胞傷害性が低くなっていることが示唆され、現在どの部位に変位が生じたのか解析中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikeda,Y.,et.al.: "Regulatory properties of the integrated long terminal repeat of the feline immunodeficiency virus." Virus Research. 41. 201-207 (1996)
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[Publications] Ikeda,Y.,et.al.: "Feline immunodeficiency virus can infect a human cell line (MOLT-4) but establishes a state of latency in the cells." Journal of General Virology. 77(8). 1623-1630 (1996)
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[Publications] Inoshima,Y.,et.al.: "Persistence of high virus neutralizing antibody titers in cats experimentally infected with feline immunodeficiency virus." Journal of Veterinary Medical Science. 58(9). 925-927 (1996)
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[Publications] Jang,H,-K.,et.al.: "Marek's disease virus serotype 2 glycoprotein I gene:Nucleotide sequence and expression by a recombinant baculovirus." Journal of Veterinary Medical Science. 58(11). 1057-1066 (1996)
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[Publications] Kawaguchi,Y.,et.al.: "Characterization of the herpesvirus type 1 immediate early gene expression." Journal of Veterinary Medical Science. 58(8). 715-721 (1996)
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[Publications] Ono,M.,et.al.: "Detection of Marek's disease virus serotype 1(MDV1) glycoprotein D in MDV1-infected chick embryo fibroblasts." Journal of Veterinary Medical Science. 58(8). 777-780 (1996)