1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06451076
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
出雲 朝子 青山学院女子短期大学, 国文学科, 教授 (60084208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 正之 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10180192)
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Keywords | 玉塵抄 / SGML / gーDTB / 照合順番 |
Research Abstract |
本年度は、過去3年度にわたる研究の最終年度であるので、主として、過去の研究資料の整理とその公開方法の検討、報告書の執筆に重点を置いた。 本研究は、「玉塵抄」の3写本が共通に存在する巻一〜巻十を扱っているので、特にその共通部分の写本間の異動についての詳しい書誌的な調査・研究を、作成済の本文データベースを参照して行い、それらの集約として、東京大学国語研究室本の位置付けを行った。文献学的データの機械可読形式での表現方法については、SGML/TEIのマークアップ系アプローチについて、実際に動作するソフトウェア環境を構築して検討し、特に漢字コードを含む複数コード系を必要とする環境での問題点について、評価と批判を完了した。 以上2点は、印刷配付する報告書に記述し、報告書は関係研究者・研究機関に頒布した。研究開始当初は、研究成果物の全てをCDROMで配付する予定であったが、この3年間のネットワーク環境の改善はめざましく、研究代表者・分担者の両方がネットワーク上で研究成果物をFTP/WWWなどで提供できる環境が得られた。 本研究の本文データベースは、今後の他抄物との対照などによる研究の進捗によって、誤植・誤読を訂したり、他文献(なかんづく底本たる「韻府群玉」)の参照を挿入するなど、随時修正されて行く性質を持っている。従って、研究者に取っては、一旦作成されてしまうと容易に修正できないCDROMでの頒布よりも、随時修正を加えられた最新版が、常時ネットワーク上で参照できる方が望ましい事に鑑み、報告書は上記の書誌学的な記述及び方法論の概説に留め、テキストデータなどはネットワークで公開していく事とした。 この具体的な公開方法については、現在、研究代表者・分担者がそれぞれの所属機関のネットワーク担当者と協議中であり、近日中に可能にする予定である。
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