1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06451094
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木下 毅 北海道大学, 法学部, 教授 (30062615)
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Keywords | 法文化 / 法継受 / 法観念・法意識 / 法系・法文化圏・法族 / 法の原型(古層) / 「権利のための闘争」(「礼による統治」 / 「法の支配」(「官僚制的法」) / 法と慣習 |
Research Abstract |
東洋における「伝統社会」の法と西洋における「近代社会」の法との関係を論じ、東洋の伝統社会を含めたグローバルな視座に立って法系論を構築する場合、両極に対置される西洋法文化と東洋法文化(なかでも極東法文化)を特徴づけてきた「法の観念」ないし「法の役割」の基本的異同を究明することがきわめて重要となる。 平成6年度は、この点を中国法文化、ヒンドウー法文化およびイスラーム法文化のそれぞれについて考察する予定であったが、後二者については注文した資料の入手がかなり遅れ、また未発刊のものもあるため、予定を変えて、本年度は、中国法文化、日本法文化およびオセアニア法文化に重点を置き、ヒンドウー法文化、イスラーム法文化およびアフリカ法文化については、平成7年度に主として行うことにした。 平成6年度の研究成果は、日本の固有法の原型(古層)と外国法(律令法、大陸法およびアメリカ法)の継受との関係を、法化・非法化(Verrechtlichung)という視座から論じた「日本法と外国法:法継受論」、「権利のための闘争」と「礼による統治」、「法の支配」と「官僚制的法」とを対照化して論じた「東西の法観念:法文化論」、および、「法」と「慣習」という観点から見た「オセアニア法文化」の3本の論文にまとめ、北大法学論集第45巻6号以下に、順次発表する予定である。 なお、平成7年度に予定されていた「西洋法文化」(大陸法文化および英米法文化)は、翌平成8年度に繰り越され、最後に、「法文化圏論」および「東西法文化における日本法の法系的地位」として、全体が総括されることになる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木下毅: "オセアニア法文化(研究覚書)" 北大法学論集. 第45巻(発表予定). (1995)
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[Publications] 木下毅: "日本法と外国法:法継受論" 北大法学論集. 第46巻(発表予定). (1995)
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[Publications] 木下毅: "東西の法観念:法文化論" 北大法学論集. 第46巻(発表予定). (1995)