1996 Fiscal Year Annual Research Report
ケインズの総合的研究(新資料によるケインズ体系の再評価)
Project/Area Number |
06451101
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬地山 敏 京都大学, 経済学部, 教授 (30025192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間宮 陽介 京都大学, 大学院人間環境学研究科, 助教授 (00252502)
岩本 武和 京都大学, 経済学部, 助教授 (80223428)
根井 雅弘 京都大学, 経済学部, 助教授 (00212126)
小島 専孝 京都大学, 経済学部, 助教授 (20225436)
八木 紀一郎 京都大学, 経済学部, 教授 (30116511)
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Keywords | ケインズ / ケインズ・ペ-パ-ズ / スラッファ / ホ-トリ- / アバッティ / 有効需要 / 新しい古典派 / 国際通過制度 |
Research Abstract |
「ケインズ・ペ-パ-ズ」の編成と収録内容を展望するとともに,文書の中から,(1)ケインズの初期哲学に関する研究,および(2)『一般理論』の礎石を提供したといわれるピエロ・スラッファとの交流を紹介した。 ケインズの主要著作が日本語に翻訳される経緯をケインズの「手紙」の中に探りながら,ケインズに関する日本の往時の関心を浮き彫りにした。 ケインズの「清算同盟案」を分析し,その歴史的制約を指摘するとともに,国際経済におけるパワーがもたらす歪みを規制するルールを提唱したものと評価した。 マネタリズム,新古典派総合,新しい古典派,新しいケインズ経済学(New Keynesian Economics)などの諸学派の思想と対比しながら,経済学をモラル・サイエンスと考えたケインズの経済観の重要性を指摘した。 『一般理論』の「先行者探し」において今まで顧みられることのなかったA.H.アバッティなる人物の二つの著書『請求されない富』(1924年)と『最終的購買者』(1928年)を初めて詳細に論じ,アバッティの有効需要論を明らかにした。また,N.ジョハンセン,ホブソン,アバッティの貯蓄理論を論じたほか,アバッティがピグ-効果を提示している,ということを発見した。 「ケインズ・ペ-パ-ズ」の活用という点からみると不十分であり,また,ミクロとマクロの関係など当初計画したテーマに十分に接近したとはいえないことは反省点であり,今後の課題としたい。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 八木紀一郎: "戦時経済と経済理論-笠信太郎と柴田敬" 神奈川大学評論. 21号. 83-91 (1995)
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[Publications] 八木紀一郎: "柴田敬の「共同的全体主義」の経済学" 日本経済思想史研究会会報. 5号. 11-12 (1995)
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[Publications] 小島専孝: "ホ-トリ-・コネクションII-ホ-トリ-のマクロ経済理論" 経済論叢(京都大学). 153巻. 130-154 (1994)
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[Publications] 小島専孝: "ホ-トリ-・コネクションIII-『貨幣論』とホ-トリ-の貨幣的循環" 経済論叢(京都大学). 154巻. 1-27 (1994)
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[Publications] 小島専孝: "アバッティの有効需要論(1)-A.H.アバッティ:無視されている『一般理論』の先駆者" 経済論叢(京都大学). 156巻1号. 1-29 (1995)
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[Publications] 小島専孝: "アバッティの有効需要論(2)-ジョハンセン,ホブソン,アバッティの貯蓄論" 経済論叢(京都大学). 156巻2・3号. 28-65 (1995)
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[Publications] 根井雅弘: "ケインズ経済学と現代" 世界. 613. 238-248 (1995)
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[Publications] 根井雅弘: "ケインズ没後50年記念エッセイ 経済学は自然科学になってしまったのか-R.ル-カスのノ-ベル賞受賞に思う" エコノミスト. 74巻. 88-94 (1996)
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[Publications] 岩本武和: "ケインズと第一次大戦期の「スターリング=ドル外交」" 経済論叢(京都大学). 153巻. 23-43 (1994)
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[Publications] 岩本武和: "ケインズと戦後国際経済秩序の形成" 経済セミナー. 493号. 33-38 (1996)
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[Publications] 小島専孝: "青木達彦編『金融脆弱性と不安定性』(第1章「ミンスキー,フィッシャー,ホ-トリ-」)" 日本経済評論社, 434(26) (1995)