1995 Fiscal Year Annual Research Report
温度勾配を付与した傾斜組成セラミック遮熱コーティング材の超高温疲労強度特性
Project/Area Number |
06452147
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古口 日出男 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90143693)
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
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Keywords | 疲労強度 / 傾斜機能コーティング / セラミックコーティング / 高温 / 温度勾配 |
Research Abstract |
本年度実施した研究により以下の知見が得られた。 (1)前年度作製した加熱冷却装置を用い、温度勾配を付与した高温疲労試験を行った。温度勾配下では試験片表面に多数の微小き裂が発生し成長するが、それは試験片表面のみであり、深さ方向にはほとんど進展せず、通常の均一温度条件下の疲労試験とは顕著な相違が認められた。また、空冷している試験片内面にはき裂の発生はまったく認められなかった。 (2)高応力下における疲労試験では、コーテイング被膜の割れが破壊起点となり、基材へと進展するが、被膜から基材への進展には基材の結晶方位の影響が顕著であり、方位によっては被膜割れから連続的な伝ぱを生ぜず、不連続となりき裂伝ぱ抵抗も高くなる。一方、低応力下においては、コーテイング被膜の割れは生じておらず、基材が疲労破壊起点となっており、コーテイングを施さない基材のみの疲労強度と同等の疲労寿命、疲労強度を示した。したがって、耐食コーテイングを施しても高温疲労強度は保証されることがわかった。 (3)遮熱コーテイング材は高温熱サイクルを受けると熱伝導率が高くなり、遮熱特性が低下することがわかった。これは、主として高温酸化雰囲気にさらされると、酸化反応により、コーテイング層内の微小空孔が埋められ密度が上昇するためである。 (4)遮熱コーテイング層の組成傾斜により、熱応力は緩和されるが、昨年度明らかにしたように、酸化が顕著になり、容易に破損を生じる。そこで、本年度はボンドコーテイング層を組成傾斜化することによりトップコーテイング層の応力緩和効果を、FEM応力解析により調べた。その結果、この場合もトップコーテイング層の組成傾斜化と同等の応力緩和効果があることがわかった。したがって、次年度はボンドコーテイング層を組成傾斜化した試験片について、熱サイクル損傷特性を調べる方針を決め、試験片の作製を行った。
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