1996 Fiscal Year Annual Research Report
ス-パコンピュータによる超高速トラヒックシミュレーション
Project/Area Number |
06452239
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 良明 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (30133086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 修 早稲田大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011182)
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Keywords | ス-パコンピュータ / 並列計算機 / パラレルコンピュータ / パラレルプロセシング / トラヒック / シミュレーション / ATM |
Research Abstract |
最近,ス-パコンピュータとして,従来のベクトル計算形の計算機の他に,並列計算機が普及し始めている.トラヒックシミュレーションは,元々並列処理に向いているので,並列計算機を使用すれば,高速にシミュレーションを行うことができると予想される.一方,今後の公衆通信ネットワークでは,ATM(非同期転送モード)が使われる予定であり,ATMネットワークの設計に当たっては,呼レベルの他に,より厳密なセルレベルでの観察も必要になってきている.本年度は,並列計算機においてATMのセルレベルトラヒックシミュレーションを行う際,最も重要な点である負荷の配分法について検討を行った. 並列計算機の各プロセッサエレメント(PE)ATMネットワークの交換機に見立ててトラヒックシミュレーションを行うことは,比較的簡単である.しかし,それには,次のような問題がある.まず第一に,一つのPEに一つの交換機しか割り当てないと,ネットワーク規模が増大するに従って必要なPEの数も増大し,ある程度の規模までしか扱うことができない.第二に,各交換機の負荷にばらつきがある場合,最も処理量の大きいPEに他のPEの処理が待たされる.このため,例えば,PEを16個用いても,1個の場合と比べて,シミュレーション速度は数倍にしかならない. 以上の問題点を解決するため,ネットワークを分割して各PEにマッピングする手法をいろいろと試みた.通信ネットワークの場合,分割は,必ずしも地理的に近いところを一つにまとめる必要はない.交流トラヒックを考慮し,地理的に離れていてもトラヒックが多いところは一つのPEにまとめる方がよい.このような分割マッピングを行うことにより,かなりの速度向上が得ることができた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石川信能,田中良明: "並列計算機によるATMトラヒックシミュレーション" 電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-665. 149 (1996)
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[Publications] 田中良明,清水修,友近剛史: "ATMトラヒックのベクトル化シミュレーション" 電子情報通信学会論文誌. J80-B-II,1. 137-139 (1997)
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[Publications] N.Ishikawa,Y.Tanaka,and T.Hamada: "ATM Traffic Simulation Using Parallel Computer" Asia-Pacific Symposium on Information and Telecommuniation Technologies. (1997)
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[Publications] 石川信能,田中良明,浜田喬: "並列ATMトラヒックシミュレーションにおける負荷配分法" 電子情報通信学会総合大会. (1997)