1994 Fiscal Year Annual Research Report
熱的マランゴニ対流と単結晶育成[表面張力の温度係数の符号の影響]
Project/Area Number |
06452341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 泰伸 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10231846)
佐藤 恒之 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (80170760)
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Keywords | マランゴニ対流 / 表面張力 / 微小重力 / 3次元数値解析 / 水酸化ナトリウム / 最大泡圧法 |
Research Abstract |
本年度行った事柄とその結果は下記の通りである。 1.液中内軸対象マランゴニ対流の数値解析プログラムの改良: 前年まで使用していた数値解析プログラムによる計算誤差を除去するため、SIMPLE法に基づく計算スキームに変更した結果、これらの計算誤差は消失した。 2.溶融NaOHの表面張力測定: 溶融炭酸塩の表面張力を、最大泡圧法によって測定した。その結果、これまでの数値計算に用いていた表面張力の温度係数の値(九工大の中村教授らによる測定結果)が過大であったことを見いだした。新しい測定結果を用いた数値解析が予測する、液柱内の流速の値は、実験結果とほぼ一致し、昨年までの数値解析結果が実験で得られる流速の十倍もの高速流動を予測した矛盾を解決できた。 3.自然対流の効果を含めた、3次元流動の数値解析プログラムの作製: 例えば水平に置いた微小重力液柱内に生じるレーリー・マランゴニ対流の数値解析をするためには、3次元解析プログラムの開発が必要不可欠である。本年度、この解析プログラムを完成し、いくつかの計算例を得た。 4.可視化実験装置の作製: 本年度は、微小液柱の内部の流れの可視化のために、アルゴンイオンレーザーを光源とするスリッ光を得る光学系を作製し、マランゴニ対流の可視化を行った。また、CCDカメラによる画像をワークステーションおよびパソコンに取り込み画像解析するプログラムを完成した。これにより、流速測定が容易に行えるようになった。 次年度は、液柱による実験と、更にプール型実験装置の製作実験に向けて実験的研究を継続し、同時に対応する数値解析プログラムの開発と計算を行う予定である。
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Research Products
(1 results)