1994 Fiscal Year Annual Research Report
集中豪雨をもたらすメソ降水系の降雨機構と組織化に関する研究
Project/Area Number |
06452411
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 龍治 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20013576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 冨雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (80025288)
坪木 和久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90222140)
中村 晃三 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20143547)
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Keywords | 集中豪雨 / 降雨機構 / 降水の組織化 / リトリ-バル法 / ドップラーレーダー / 数値モデル / シミュレーション / メソ降水系 |
Research Abstract |
本研究課題の重要な柱の一つは、重点領域研究「自然災害の予測と防災力」の集中豪雨の観測で得られたデータからメソ降水系の力学を調べることである。これにおいてドップラーレーダーのデータについてのリトリ-バル法の開発は一つの核になるものである。観測で得られたデータについて、メソ降水系の熱力学的量を推定するリトリ-バル法を開発し、梅雨末期に発生する豪雨において、対流圏中層から入り込む乾燥空気がメソβ降水系を形成維持する上において重要であることを明らかにした。またこの結果を2次元の非静力学モデルを用いて数値実験により検証したところ、この結果を支持する結果が得られた。 関東平野において発生したメソ降水系のデータ収集を行なった。特に、レーダーのデータを継続的に取得し関東平野に発生したメソ降水系の特徴的事例を明らかにした。そのうちのいくつかの事例について、ケーススタディを行なっている。 メソ降水系のドップラーレーダーデータを用いたリトリ-バル法は、まず熱力学的量、すなわち温度や気圧の擾乱内の分布を求めることからはじめられる。この段階には到達することができたが、さらに進んで雲物理学的リトリ-バルにまで発展させる段階まで達成されていない。現在、この雲物理学的リトリ-バルの開発を行なおうとしている。 1993年8月6日に起きた鹿児島県の豪雨について、数値実験の基礎的なものを行なった。これにより豪雨を起こした場がシミュレートされたが、豪雨そのものについては現在のモデルでは、不十分であることがわかった。この豪雨については学会でも多くの議論があり、今後その発生のメカニズムについてさらに調べる必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masayuki Kawashima: "Maintenance Mechanism and Thermodynamic Structure of a Baiu frontal Rainband Retrieved from Dual Doppler Radar Observations" Journal of the Meteorological Society of Japan. (発表予定).
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[Publications] Yoshimitsu Ogura: "A Case Study of the Formation of an Embedded-Areal-Type Cloud Band over Kanto Plain" Journal of the Meteorological Society of Japan. (発表予定).
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[Publications] Kazuhisa Tsuboki: "Numerical Experiment of an Equatorial Mesoscale Cloud Cluster Observed during TOGA-COARE IOP" Journal of the Meteorological Society of Japan. (発表予定).