1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453163
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 信一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (60108678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助教授 (50108768)
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Keywords | pH / 土壌 / 土壌溶液 / イオン交換 / 陽イオン吸着 / 陰イオン吸着 |
Research Abstract |
本年度は陰イオン吸着実験と陽イオン吸着実験を行った. まず,土壌の水分含量の関数として土壌溶液溶存イオンの量を測定した.その結果,塩化物イオンと硝酸イオンの溶存量はほとんど変化せず,硫酸イオンの溶存量が水分含量低下とともにやや低下した.この結果から,実際の土壌では塩化物イオンと硝酸イオンは不吸着性イオンとして扱えることがわかった. 次に,グローブボックス内で二酸化炭素分圧を制御しながら,湿潤土壌による二酸化炭素吸着を測定した.その結果,アロフェン質土壌では分圧が35Paでも3.5cmol/kg程度の二酸化炭素を吸着した.しかし,分圧を1600Paへ上昇させても吸着量の増分は0.5cmol/kg程度であった.この結果から,土壌は二酸化炭素をおそらく炭化水素イオンとして吸着するが,吸着量の変動は小さいと考えられた. 以上の結果から,土壌溶液中の主要陰イオンのなかでは硫酸イオンの吸着のみを考慮すれば十分であると考えられた. 陽イオンについては,Ca-Mg-K-Naの4成分系において一定荷電土壌を用いて陽イオン交換実験を行い,平衡イオン組成のデータを収集した.多成分陽イオン交換における選択係数変動の一般的な理論化は困難と考えられるので,交換体組成をCa飽和度の高い範囲に制限した.この結果,この範囲では,各交換反応のVanselow選択係数は交換体上のKのモル分率のみの関数として近似できることがわかった. 変異荷電土壌における陽イオン交換実験は,腐植質およびアロフェン質土壌を用いて行った.この結果,Ca,Mgイオンと水素イオンとの交換の化学量論は2であること,つまり2価イオンは2つの交換基を占有して吸着することが明らかになった.
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Research Products
(1 results)