1994 Fiscal Year Annual Research Report
細菌鞭毛の生成及び運動の膜リン脂質依存性-その分子機序の解明
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06453165
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渋谷 勲 埼玉大学, 理学部, 教授 (60013306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 博 埼玉大学, 理学部, 助手 (80008870)
松本 幸次 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00119140)
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Keywords | 大腸菌 / 鞭毛マスターオペロン / 膜リン脂質 / 酸性リン脂質 / 転写制御 / オペロン融合 / ompBオペロン |
Research Abstract |
大腸菌の鞭毛生成及び運動性に関わるレギュロンのマスターオペロン(flhD-flhC)の発現制御機構と膜リン脂質の関連について解析し、以下の成果を得た。 1.大腸菌の鞭毛生成及び細胞運動性が、酸性リン脂質欠損変異pgsA3により著しく阻害されることを見出した。 2.この理由として、鞭毛マスターオペロンの転写発現が、PgsA3変異により著しく抑制されることを、flhD-lacZ融合株のβ-ガラクトシダーゼの活性測定によって明らかにした。 3.塩基配列既知の上流領域について、一連の異なる長さの断片を調整し、オペロン融合プラスミドを作成して保持株のβ-ガラクトシダーゼ活性を測定し、pgsA3変異による発現抑制が配列既知領域に最上流部分に依存すること、この領域はプロモーター活性を有せず、下流からのカタボライト抑制感受性転写を促進する新規な制御領域であることを明らかにした。 4.既発表の上流領域よりさらに0.3kb上流の領域のクローニングに成功し、flhD発現に必要でpgsA3変異による抑制に関わる新規機能領域がこの部分にも及ぶことを示した。 5.2成分制御系の一つompBオペロンが鞭毛マスターオペロンの制御に関わることを、ompB欠損変異の使用により発見した。 約1年間で上記のような進展をみたので、当初の予定をはるかに上回る成果であると考えている。これによって、鞭毛マスターオペロンの発現制御の本質に始めて触れうる段階に至った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] E.Kitamura: "Acidic-phospholipid deficency represses the flagellar master operon through a novel regulatory region in Escherichia coli." Biosience,Biotechnology,and Biochemistry. 58. 2305-2307 (1994)
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[Publications] M.Usui: "Primary strustures of the wild-type and mutant alleles encoding the phosphatidylglycerophosphate synthase of Escherichia coli." Jonrnal of Bacteriology. 176. 3389-3392 (1994)
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[Publications] M.Okada: "Cloning, sequencing, and expression in Escherichia coli of the Bacillus subtilis gene for phosphatidylserine synthase." Jonrnal of Bacteriology. 176. 7456-7461 (1994)
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[Publications] S.Hamamatsu: "Loss of phosphatidylserine synthesis results in aberrant solute sequestration and vacuolar morphology in Saccharomyces cerevisiae." FEBS Letters. 348. 33-36 (1994)