1996 Fiscal Year Annual Research Report
Me_3SiSnBu_3-F-から生じたBu_3Sn-の有機合成への利用-ベンザイン、キノジメタン、カルベン等の生成及びその反応-
Project/Area Number |
06453185
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 美和子 北海道大学, 薬学部, 教授 (80001981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 美洋 北海道大学, 薬学部, 助手 (90226019)
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Keywords | Me_3SiSnBu_3 / C-3 elongation / Methyl bistributylstannyl propionate / Methyl propiolate / γ-elimination / 8-membered ring / 3-membered ring |
Research Abstract |
我々はMe_3SiSnBu_3をFとDMF中反応させるとBu_3Snアニオンの生成することを見い出しこれを有機合成化学に利用することをこれまで行ってきた。既に幾つかの環化反応の開発、不活性中間体であるアリールアニオンやベンザイン、カルベン、オルトキノジメタンの生成及びその反応について報告してきた。今回Methyl propiolateを1当量のMe_3SiSnBu_3-Fと反応させると予期せぬことにmethyl bistributylstannyl propionate (2)が49%の収率で得られ2当量の試薬を用いると定量的に2が得られた。我々は2がC-3unitを伸長するための良い試薬になるのではないかと考えて2をアルコールに導きMOM基で保護した化合物3を用いて種々検討を加えたところ、非常に効率良くアルデヒド、ケトン、エステル、ハロゲン化アルキルに対してC-3unitを伸張させることが出来た。一方2をLDAで処理し、HMPA存在下アルデヒドを加えると高い立体選択性で付加体が得られる。この化合物はスズから見てγ位にOH基を持つことになる。そこでOH基を適当な脱離基に交換し、1, 3-脱離を行ったところ高い立体選択性で3員環化合物が得られた。この化合物はもうひとつのBuSn_3基を持っておりそれを更に官能基に変えることも可能となった。以上のように今回我々が得たmethyl bistributylstannyl propionate (2)は、有機合成化学にとって非常に興味の持たれる化合物である。この化合物の更なる応用について現在検討中である。又、halogen-metal exchange reactionを利用して環拡大反応を行い8員環化合物を立体特異的に合成することにも成功した。
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[Publications] Naohiro Isono: "A Novel Carbon-Carbon Bond Forming Reaction Using Bis (tributylstannyl) propanol" Main Group Metal Chemistry. 19. 277-281 (1996)
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[Publications] Hiroki Sato: "1, 1-, 1, 2-, and 1, 4-Eliminations from the Corresponding Dihalogenated Compounds Using Bu_3SnSiMe_3F^-" Tetrahedron. 52. 8143-8158 (1996)
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[Publications] Naohiro Isono: "Highly Stereocontrolled Cyclopropanation by the 1, 3-Elimination Bis (tributylstannyl) propanol Derivative" J. Org. Chem.61. 7867-7872 (1996)