1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞に対する機械的刺激の作用における転写因子EGR-1の役割
Project/Area Number |
06454427
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
緒方 敏子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80014314)
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Keywords | 骨芽細胞 / 機械的刺激 / EGR-1 / カルシウム / チロシンキナーゼ / 血清 |
Research Abstract |
骨芽細胞様細胞株MC3T3E1細胞に機械的刺激を加えることによって、egr-1遺伝子が誘導されること、及び、その誘導のメカニズムに関する一定の所見を昨年までに得ていたので、本年度は、更にそれらを深く解明するための実験を行い、以下の様な結果を得た。 1、分化段階の異なる細胞でのegr-1遺伝子の誘導の検討。 各種細胞に機械的刺激をくわえて、30分後の全RNAのノーザンフロットアナリシスを行った。 マウス未分化間葉系細胞C3H10T1/2,ラット前骨芽細胞RCT1、ラット骨芽細胞RCT3、においては、egr-1遺伝子の誘導がみられたが、ラット成熟骨芽細胞ROS17/2.8、マウス骨芽細胞UMR106-6では、egr-1遺伝子の基礎レベルが低く、また、誘導もされなかった。 2、機械的刺激のシグナルトランスダクションを明らかにする。 機械的刺激によって特定の蛋白質のチロシンの燐酸化が上昇することを、燐酸化チロシンの抗体を用いて確認した。細胞内カルシウムの変化をみるための実験系はまだ確立できていない。 3、egr-1遺伝子の誘導を制御する領域の検討は、目下準備中で、結果はでていないが、本実験系におけるegr-1遺伝子の誘導には、血清中の成分が必要であることを見出しており、serum response elementが関与している可能性が考えられる。 以上の結果をふまえ、今後、機械的刺激のシグナルトランスダクションの解明をさらに追求すると共にこのegr-1遺伝子の誘導が、生体における機械的刺激による骨の形成促進に関与しているか、否かを明らかにしたいと考えている。
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