1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454494
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸 章治 群馬大学, 医学部, 講師 (30125843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横塚 健一 群馬大学, 医学部, 教務員
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Keywords | 硝子体液化 / 硝子体再生 / 硝子体切除 / 網膜光凝固 / 家兎 / 硝子体変性 |
Research Abstract |
硝子体はどこから産生されるのか、また網膜の変性によって硝子体はどのような影響を受けるかを検索するために、以下の実験を行った。 1)生後3か月の幼弱な家兎に光凝固を行い、3、4か月後と1年後に硝子体の変化を調べた。4か月後には光凝固斑は萎縮巣となり、その前方の硝子体に液化が生じていた。1年後には液化腔はよりはっきりとし、その輪郭は網膜の萎縮病巣に一致していた。以上より、眼球が成長過程にある幼弱家兎では網膜を破壊すると、その前方に硝子体が産生されないか、変性することが示唆された。 2)次ぎに、眼球の成長が完了した成熟家兎に、網膜光凝固を行い硝子体の変化を検索した。現在4か月経過した時点では、眼底の前方に液化があることが観察されているが、まだ境界鮮明な腔としては観察されていない。さらに長期的な経過を追う必要がある。 平成6年秋に硝子体切除装置が導入されたため、動物眼で硝子体を切除し、硝子体再生の有無、硝子体液体成分の変化を検索するための基礎実験を開始した。 1)家兎の水晶体を冷凍凝固チップにて全摘すると、成熟家兎では硝子体がそれにくっついて、まるごと網膜から剥離して摘出できることがわかった。一方、幼弱家兎では硝子体と網膜の接着が強く、同方法では網膜も脱出もしくは硝子体基底部でおおきな裂孔を生じてしまうことがわかった。 2)家兎の水晶体はおおきく、硝子体腔は小さい。そのためビトレクトミ-を行うとき、輪郭からの器具の挿入距離と硝子体切除自体の技術が問題になる。試行錯誤の後、水晶体を損傷せずに、硝子体切除する技術を習得した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kishi S,et al: "Oval defect in detached posterior hyaloid membrane in idiopathic preretinal hyalold membrane" Am J Ophthalmology. 118. 451-456 (1994)
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[Publications] 岸 章治: "後部硝子体膜と黄斑病態" あたらしい眼科. 11. 1467-1473 (1994)
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[Publications] 田村卓彦,他: "黄斑前硝子体皮質の解剖学的特性" 日本眼科学会雑誌. 97. 1197-1202. (1993)
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[Publications] 田村卓彦,他: "光凝固による網膜前硝子体液化に誘発" 日本眼科学会雑誌. 98. 270-276 (1994)
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[Publications] 丸山泰弘,他: "糖尿病網膜症での輪状増殖病変の形成過程" 臨床眼科. 48. 1253-1257 (1994)
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[Publications] 萩村徳一,他: "網膜中心動脈閉塞症の病型と視力予後" 臨床眼科. 48. 715-719 (1994)
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[Publications] 岸 章治: "眼科診療プラクティス 黄斑部疾患の診療指針" 田野保雄編集,文光堂, 17〜21 (1994)
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[Publications] 岸 章治: "眼科学大系 硝子体出血,星状硝子体症" 中山書店, 第5巻 391〜400 (1994)